「大竹剛のロンドン万華鏡」

「さよならスポティファイ」で違法コピーが再び氾濫?

音楽配信の無料サービス“半減”に不満続出

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2011年4月27日(水)

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 「さようなら、スポティファイ。知り合えてよかった。また違法音楽コピーの世界に戻ることにするよ」
 「文句を言うのはやめろよ。タダで何でもゲットできるわけじゃないんだから」

 4月14日、欧州でクラウド型音楽配信サービスとして注目を集めてきた「スポティファイ」が、サービス内容の変更を発表した。それに対し、ユーザーの間で論争が巻き起こっている。ダニエル・エクCEO(最高経営責任者)が同社のブログに掲載した発表文には、6日間で約6000件(この記事の執筆時点)のコメントが寄せられた。その中身は賛否両論で、冒頭のコメントは発表直後に掲載されたものだ。

無料サービスの制限強化に不満続出

プレミアム会員(月額9.99ポンド)になれば、iPhoneなどのスマートフォンでも利用できる

 スポティファイでは、ユーザーは基本的に、音楽をパソコンやスマートフォンに蓄積しない。インターネットに接続した状態で、ストリーミング技術でダウンロードしながら聞き流す。ユーザーは、スポティファイのサーバーに蓄積されている1000万曲以上の楽曲にインターネット経由でアクセスし、パソコンからでもスマートフォンからでも、好きな時に好きな音楽を、好きなだけ聞くことができる。(詳細についてはこちら

 もちろん、誰もがこうした“聞き放題”のサービスを無制限にタダで利用できるわけではない。例えば、アイフォーン(iPhone)やアンドロイドなどのスマートフォンから利用するには、月額9.99ポンド(約1300円)の「プレミアム」会員になる必要がある。パソコンで聞く場合、数曲ごとに挿入される広告をカットするには「アンリミテッド」会員になり、月額4.99ポンド(約670円)を支払わなければならない。

 こうした会費を支払っているのは1000万人以上とも言われるユーザーの1割程度と見られており、ユーザーの大部分は広告が挿入されるパソコン向け無料サービス「オープン」を利用している。

 5月1日からサービス内容が変更されるのは、この無料サービスだ。これまで無料サービスのユーザーは月20時間まで利用できたが、それが半分の10時間に減らされる。さらに、1つの楽曲の再生回数が5回までに制限されるようになる。

広告収入だけでは著作権料を負担できず

 スポティファイは、この無料サービスを戦略上重視してきた。まずは無料でサービスを体験してもらえば、徐々に有料会員へと誘導できると期待していたからだ。しかし、多くのユーザーは無料サービスを使い続けている。

 無料サービスでは、数曲ごとに30秒程度の広告が挿入される。広告は、パソコンにダウンロードした専用ソフトにも表示される。確かに、広告は煩わしい。

パソコンで使うスポティファイの専用ソフト。フェイスブックなどを介してユーザー同士で音楽を共有できる
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 それでも、多くのユーザーが無料サービスを使い続けるのはなぜか。それは、好きな曲を気軽に探して“プレーリスト”を作ったり、フェイスブックを介して友達とスポティファイ上で音楽を共有したりできるメリットの方が、広告の煩わしさを上回っているからだ。パソコンにダウンロードして使う専用ソフトの操作性は、米アップルの「アイチューンズ(iTunes)」と同等か、それを上回るほどシンプルで使い勝手が良く、それが“iTunes キラー”と呼ばれるゆえんでもあった。

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