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電力・ガス、5年間で3300億ドルの投資見込む

計画停電に慣れたインドへは投資余地も大きい

  • 時吉 康範,田中 靖記

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2011年5月13日(金)

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 「電力の安定供給」が課題として浮上した震災後の日本。電力の需給ギャップに悩むインドでは、何が課題となっているのか、電力供給の実情と照らし合わせ、日本企業の進む道を考える。

【現地ルポ編】

 「安定的な電力供給」とは、相対的な言葉である。筆者は、インド滞在中に多くの工業団地の視察を行った。出迎えてくれた工業団地の担当者は、「我が工業団地の電力供給は非常に安定している。安心して進出してほしい」と口を揃える。

 そこで、「どれくらいの『計画停電(Scheduled Blackout)』があるのか?」と水を向けると、「週に1日、電気が来ない日がある」という返答がくることが多い。例えば、商都ムンバイを擁するマハーラシュトラ州では、ほとんどの工業団地で週1回、12~24時間の停電が発生する。

 また、日系企業向けの開発が行われているラジャスタン州ニムラナ工業団地でも、6時間程度の停電が毎月数回は発生している。これでは、エレクトロニクス産業や金属加工業など、通電がなくなると大きなロスが発生する工場は立地することができない。「安定的な電力供給」という言葉の持つ彼我の差を感じさせられた。

 この点を、工業団地の担当者に指摘しても、話はあまり噛み合わない。インドの工業団地では、上記のような電力供給体制が「主流」であり、当然のこととされている。「計画停電」は日常であり、電力供給体制にあわせた生産・稼働体制を構築する必要があるという認識を持った。

 とはいうものの、各工業団地においては、自家発電設備(100~400メガワットの発電機数機)を設置しているところが多い。しかし、増加する電力需要をカバーするには至っていない。1000メガワット以上の発電プラントを計画している工業団地もいくつか存在するが、系統電力に頼らないで独自の電力源を構築するには資金的な限界があるようだ。

 一方、各施設レベルでも、自家発電設備の導入が進んでいる。特に、同様に電力を絶やすことができない病院やIT関連施設などは、導入に熱心だ。例えば、デリー近郊にあるグルガオンの大手病院、マックス病院では、1010キロボルト-アンペア(KVA)が2機、700KVAが1機のディーゼル発電機を導入している。2機の1010KVA機は主棟の電源用として、700KVA機はバックアップ電源用として設置している。

 これらの発電機を、日々の電力需要にあわせて稼働管理しているものの、ランニングコストの高さがネックとなって、収益を圧迫しているようだ。特に近年では、燃料である軽油・重油の価格が高騰の傾向にあるため、代替電源の検討を進めている企業も多い。

 交通インフラでも、電力の確保は課題となっている。デリーやデリー近郊のグルガオンのような都市部においても、毎日、数回の停電が発生する。停電時には街中の信号が止まり、交通渋滞の一因にもなっている。経済的な損失は大きい。さらに地方都市では、停電の期間が長く、頻繁だ。例えメトロやモノレールのような公共交通機関ができたとしても、安定的に運行可能かどうかは疑問である。

 実際に、デリーで運行されているメトロの路線も、電力不足のために徐行運転や停車を繰り返す時間が多い。鉄道だからといって時間通りに目的地にたどり着けるわけではないため、公共交通機関としての利点を十分に発揮できていないように感じた。

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