「日本と韓国の交差点」

儒教の教えだけでは解決できない韓国の高齢化社会の課題

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2011年5月12日(木)

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 韓国の5月は「家庭の月」と呼ばれる。5日は子供の日、8日はオボイの日(オボイは父母の意味)、第3月曜日は成人の日(9日)、15日は先生の日、21日は夫婦の日と、家族行事が多い。このため、外食やプレゼントで支出が増え、1年のうちで最もお金がかかる月でもある。

 2011年は、公休日であるお釈迦様誕生日が5月10日火曜日であるため(韓国では12月25日のクリスマスと旧暦4月8日のお釈迦様誕生日が公休日である)、金曜と月曜を休めば5日の子供の日から10日まで連休になる。韓国には、お正月とお盆以外は連休がない。振替休日もない。めったにない連休ということで、4日から高速道路は大渋滞。海外旅行に出かける人も増えた。

連休中は山へ、実家へ

 韓国人の好きなレジャーといえば、山登りだ。ソウルは四方が高さ約630〜830メートルの山に囲まれているため、首都圏に住む人は電車で10〜20分行けば立派な登山体験ができる。連休でなくても、週末になれば山の入り口はいつも人で賑わう。

 山登りの後はマッコリにパジョン(ネギと海産物を入れたチジミ)が定番メニューである。韓国の山好きなおじさんのお腹がみんな山のように出っ張っているのは、山の入り口にずらっと並ぶパジョン屋台のせいかもしれない。

 連休を迎え、実家に遊びに行く人も多い。お年寄りを大事にし、「孝」を重要視する韓国では、5月の色々な記念日の中でもオボイの日に最も気を遣う。オボイの日には両親に赤いカーネーションとプレゼント(ほとんどが現金)を贈る。全国各地の自治体や大手企業は、お年寄りを招いて無料で食事をふるまったり、長寿を祝う祭りを催したりする。

法律と表彰で「孝」を奨励

 韓国には「孝行奨励及び支援に関する法律」まである。「孝とは子供が両親を誠実に扶養し奉仕することである。孝行とは孝を実践すること」と定義している。この法の目的は「美しい伝統文化遺産である孝を国家次元で奨励し、孝行を通じて高齢社会が直面している問題を解決する。加えて、国家発展の原動力を得て世界文化の発展に寄与する」と書かれている。孝を法律で奨励するというのは、「孝」が忘れられていることの裏返しかもしれない。

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著者プロフィール

趙 章恩(チョウ・チャンウン)

 研究者、ジャーナリスト。ソウルで生まれ小学校から高校卒業まで東京で育つ。韓国ソウルの梨花女子大学卒業。現在は東京大学社会情報学修士。ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどにコラムを連載。著書に「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー)、「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)がある。
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送っています。日韓両国で生活した経験を生かし、日韓の社会事情を比較解説する講師として、また韓国のさまざまな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです」。
 「韓国はいつも活気に溢れ、競争が激しい社会。なので変化も速く、2〜3カ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をすると『なんだかきつそうな国〜』と思われがちですが、世話好きな人が多い。電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多いのです。マンションに住んでいても、おいしいものが手に入れば『おすそ分けするのが当たり前』の人情の国です。みなさん、遊びに来てください!」。



このコラムについて

日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?

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