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天然ガスビジネスは日ロ関係のカギ

  • 畔蒜 泰助

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2011年5月30日(月)

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 地震、津波、原発事故--3つの打撃が日本を同時に襲った。そんな日本に対して世界中が同情が寄せた。多額の義援金が寄せられただけではない。被災者の捜索要員や原発の技術者など、専門家を派遣してくれた国もある。

しかし、我々は、これを喜ぶだけでよいのだろうか?

 世界の国々が寄せてくれた「友情」に、日本は真摯に応えているだろうか? 放射能汚染水を海に流したことに対して、中国と韓国は当惑している。さらに、国際政治は「友情」だけで動いているわけではない。好意の背景には「国益」を維持・増大させるための冷徹な計算もある。“借り”はいつかは返さなければならない。

 この連載では、米・中・韓・ロの主要国を対象に、東日本大震災が何をもたらし、日本との関係がどう変わるのか、について専門家の分析を紹介する。

 第2回は畔蒜 泰助 東京財団研究員に日ロ関係を分析してもらう。

 日ロ関係は、2010年秋の露メドベージェフ大統領による国後島訪問以来、悪化の一途をたどっていた。だが、東日本大震災と福島原発事故の発生を契機に、その潮目が変わりつつある。

 そもそもメドベージェフ大統領の国後島訪問は、2012年3月に予定されているロシア大統領選を前に、国民に「強い大統領」とのイメージをアピールするとの側面が強かった。そのため、日本政府は本来なら過度に反応する必要はなかった。だが、普天間問題や尖閣問題をめぐり、国内で激しい批判にさらされていた民主党政権は、国内政局の文脈から、ロシア側に対抗する声明・行動をくり広げざるを得なかった。両国関係は負のスパイラルに陥っていた。

プーチン首相が震災後、即座に発した2つのメッセージ

 東日本大震災は、そんな険悪な日ロ関係を一変させた。3月11日の大震災発生からわずか数時間後、メドベージェフ大統領が菅直人首相に電報を送り、お見舞いと支援を申し出た。ロシアは今回、合計160人以上のロシア人を我が国に派遣し、救助活動に参加させた。その活躍を、被災地は高く評価したという。

 また、大震災発生の翌3月12日、露プーチン首相が、エネルギー分野を統括するセチン副首相、国営原子力会社ロスアトムのキリエンコ総裁らを首相府に召集し、次のような2つの対日メッセージを発した。

(1)過去から引き継いだ問題(北方領土問題)はあるが、日本は友好国であり、長期的に信頼のおけるパートナーである。積極的に支援するべきである。
(2)特に、福島原発の停止を受けて、日本で新たに需要が発生するであろう石油、天然ガス、石炭をロシアは供給する用意がある。

 プーチン首相が日本への積極アプローチを開始したのは、アジア太平洋市場において露エネルギー企業のプレゼンスを拡大する絶好のチャンスと捉えたからに他ならない。福島原発事故の影響で、我が国は火力発電への依存度を高めざるを得ない。化石燃料の大幅な需要増が見込まれる。欧州市場と比較してアジア太平洋市場では、ガスプロム社を筆頭とする露企業の存在感は脆弱だ。また、そこには、ますます深まる中国との経済関係に対して、戦略的なバランスを取る狙いもあるとみられる。露中貿易ばかりが拡大すると中国依存度が高くなりすぎるので、日露貿易も拡大させたいというわけだ。

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