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中国版ツイッター『ウェイボー』がもたらす正の面、負の面

エリートはリアルの議論も深めるべき

2011年5月26日(木)

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 前回コラム(「中国版ツイッター『ウェイボー』が中国を変える。。。か?」)で述べたように、筆者は、北京大学キャンパス内で5月8日に開かれた内部会議に参加した。

 「政治的リスクは伴うけれども、ウェイボーの流れは止められない」という結論で、参加者が納得するかと思いきや、筆者の北京大学国際関係学院の先輩であるJ氏が、北京大学OBらしい、空気を読まないツッコミを入れた。

 「お前ら、いつまでも豚みたいな議論をしてるんじゃねえ」

 J氏は、30歳にして共産党上層部に多大な発言力を持つ証券会社アナリストだ。

 「新浪騰迅を合わせてのべ3億人近いユーザーがウェイボーを使っているのは、それが無料だからだ。携帯電話のショートメッセージはどう転がっても有料だからな。中国人民は無料という言葉に弱い」

 「ウェイボーには『私信(スーシン)』(プライベート・メッセージ)と言う機能がある。相互にフォローしている2人の間では、公開されない、秘密のメッセージを送りあうことができるだろ? これが携帯電話のショートメッセージの役割を完全に取って代わっている」

 「中国人はそもそもパソコンの電子メールを使いたがらない。そこを考えれば、ウェイボー私信がなぜコミュニケーションの主流になりつつあるのか容易に理解できる」

 なるほど、中国版ツイッターであるウェイボーには、TWITTERやFACEBOOKと同様の機能以外に、携帯電話のショートメッセージに相当する機能がある。さらに、日本におけるMIXIのように“身内”でグループを構成し、内部会議を開く機能も併せ持っている。すべて無料だ。

「ウェイボーは国を滅ぼす」?

 そのうち、J氏の形相がすごく激しいものになっていった。

 「ウェイボーはこの国をダメにしてしまう。それよって、この国が滅びる可能性だってある」

 いつものように、過激な発言が始まるのだろう。手がつけられなくなることを懸念した筆者は、軽く釘を刺した。「まあまあ落ち着いて。先輩、順序だてて議論していきましょうよ」

 J氏は筆者を睨みつけた。「そんなことお前に言われなくたって分かっている」

 「俺は別にウェイボーそのものを否定しているわけではない。問題はそこで議論されている中身だ。追っかけファンがスターやアイドルの一挙手一投足をフォローする不健全な二極構造と化している。有名人はもっと有名になる。追っかけどもは自己満足に酔いしれる。両者の格差は開いていく」

 真っ当な見方だ。筆者は表情を変えずに耳を傾けていた。

 J氏が続けた。「そこから生まれるのは何だ? 功利主義、ポピュリズム、浪費主義の3つだ。ウェイボーがこの国を滅ぼすという結論以外に、どんな結論が見出せるんだ! お前らポータルサイトは、自分たちが利益を上げるために、国民の民度を下げ、国家を滅亡の危機に貶めようとしているんだぞ。それだけのことを自覚した上でやっているのか?」

 キャンパス付近の酒場で何度聞いたか分からない。北京大学OBらしい論理展開だ。すべての問題を国家の興亡に結び付ける。

ネット空間には巨大なマーケットがある

 次の瞬間、本会議でモデレーターを務め、私たちの先輩でもあるY氏が口を挟んだ。
 「おいおい、Jさんよ。そうヒートアップするなよ。お前が関心を持つのは国家の未来とか世界の繁栄だけだ。自らの価値観を周りに強要するのは止めたほうがいい。俺も含めて、飯が食えて、儲かればそれで満足という人間がほとんどなんだ。ここに集まったポータルサイト関係者たちに、国家の盛衰という視点から日々の業務に取り組む余裕はないよ」

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国版ツイッター『ウェイボー』がもたらす正の面、負の面」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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