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酒酔い運転したら即、刑事罰

新制度施行でさらされた飲酒ドライバーたちの醜態

2011年6月3日(金)

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 「第8次刑法改正案」は、2011年2月25日開催の第11期全国人民代表大会常務委員会第19回会議で採択されて、5月1日に施行された。今回の改正には、刑法133条に「危険運転行為」の1項を加えて「133条之1」とすることが含まれていたが、その内容を直訳すると次の通りである:

 道路上で“機動車(機械を動力とする車両)”(以下「車両」)を運転して速度を競うことを追求し、その状況が極めて悪質な者、あるいは道路上で酒に酔って車両を運転した者は拘留<注1>ならびに罰金に処す。前項の行為があると同時にその他犯罪を構成する者は、比較的重い規定に従って罪を定めて処罰する。

<注>原文は“拘役”、受刑者の自由を剥奪して短期間(1カ月以上6カ月以下)拘留することを指すが、受刑者はこの期間中に毎月1~2回帰宅が許される。

 端的に言えば、路上での車両(自動車、オートバイなど)によるスピードの出し過ぎや酒に酔っての運転は、従来の「事故を起こしたら再び処罰する方式」から、「状況や結果のいかんを問わず、危険運転行為があれば処罰する方式」に変わり、「危険運転行為」を行った者は事故を起こしているいないにかかわらず、刑事犯罪者として拘留するというものである。

検挙第1号は様々な醜態を演じた

 上述の刑法改正に対応する形で、4月22日に開催された全人代常務委員会第20回会議で「道路交通安全法」の改正案が採択され、5月1日に施行された。その第91条の飲酒運転に関する条文を要約すると次の通りである:

【1】 「酒気帯び」で車両を運転した者は、6カ月間の運転免許停止と1000元(約1万2500円)以上2000元(約2万5000円)以下の罰金。酒気帯び運転で処罰されてから再び酒気帯び運転を行った者は、10日以下の拘留と1000元以上2000元以下の罰金、および免許取り消し。
 
【2】 「酒酔い」で車両を運転した者は、酔いが醒めるまで拘束され、免許取り消しの上、法に照らして刑事責任を追及。5年間の免許取得禁止。
 
【3】 「酒気帯び」で営業車両を運転した者は、15日間の拘留と5000元(約6万2500円)の罰金、免許取り消しで5年間の免許取得禁止。
 
【4】 「酒酔い」で営業車両を運転した者は、酔いが醒めるまで拘束され、免許取り消しの上、法に照らして刑事責任を追及。10年間の免許取得禁止とし、新たな免許の取得後は営業車両の運転は不可。
 
【5】 「酒気帯び」あるいは「酒酔い」で車両を運転して重大な交通事故を起こした者は、法に照らして刑事責任を追及。免許は取り消しで、新たな免許取得は終生不可。

 ちなみに、中国で飲酒運転は、“飲酒駕車(酒気帯び運転)”と“酔酒駕車(酒酔い運転)”に分類されるが、その基準は以下の通り:

【酒気帯び運転】 血液中のアルコール含有量が20ミリグラム/100ミリリットル以上、80ミリグラム/100ミリリットル以下のドライバーによる運転行為
 
【酒酔い運転】 血液中のアルコール含有量が80ミリグラム/100ミリリットル以上のドライバーによる運転行為

 上述のように“酔駕入刑(酒酔い運転の刑事罰入り)”制度が5月1日から始まったことは、中国全土のドライバーたちに大きな波紋を引き起こした。5月20日付の「新華ネット(広州)」によれば、江蘇省では5月1日以来、全省の交通警察部門が処理した酒酔い運転事案は100件にも達しており、各地の酒酔い運転で検挙された第1号は様々な醜態を演じたという。

コメント6件コメント/レビュー

テレビで酒酔い運転取締りの番組を見たことがある。警官の態度はいずれも礼儀正しく、しなだれかかる泥酔者にたいしても荒っぽい態度や言葉は吐かない。中国の警官はエライ行儀がよろしいなあ、思って中国人にそのことを話すと、高級車に乗ってる人は、エライさんの可能性が高いので、あとのことを考えて乱暴なことはしないのだそうで。きっとボロの軽などに乗って酒酔い運転してたら、怖い目にあうのでは。(2011/06/06)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「酒酔い運転したら即、刑事罰」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

テレビで酒酔い運転取締りの番組を見たことがある。警官の態度はいずれも礼儀正しく、しなだれかかる泥酔者にたいしても荒っぽい態度や言葉は吐かない。中国の警官はエライ行儀がよろしいなあ、思って中国人にそのことを話すと、高級車に乗ってる人は、エライさんの可能性が高いので、あとのことを考えて乱暴なことはしないのだそうで。きっとボロの軽などに乗って酒酔い運転してたら、怖い目にあうのでは。(2011/06/06)

今回の法改正までは、対人や対物の事故を起こさない限り、いくら酒を飲んでいても無罪放免だったようですが、中国当局も漸く重い腰を上げて、飲酒運転そのものを禁じることとしたのですね。日本の規制と比べると中国が後追いしていることは明らかですが、その時間差は確実にどんどん短くなってきています。都邑格差解消、少数民族対策、民主化、等々、様々な方面で、近代化への努力を今後とも続けて欲しいものです。(2011/06/04)

昨日の日経ビジネスオンラインの記事で”重慶からマフィアが消えた”というものがありましたが、その中の以下のような記載を見ると、変革は望み薄な気がします。「飲酒運転に関する法律・ルールが今年に入ってから厳しくなっているとはいうものの、草の根レベルではまだまだ徹底されていない。ましてやこのクラスメートは、飲酒運転を取り締まる側の公安幹部だ。自らルールを守るはずがない。中国の役人の真の姿だ。どの都市に行っても現状は変わらない。」 (2011/06/03)

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