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重慶からマフィアが消えた

「唱紅歌」を打ち出した薄熙来の思惑は?

2011年6月2日(木)

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 5月21日と22日、4月に中国で出版した拙書『中国的逻辑(The Logic of China)』の全国講演ツアーの一環で、西部にある唯一の直轄市・重慶を視察した。盆地であるため、重慶の夏は暑い。今回筆者が赴いたのはたまたま雨が降った後で、気温は20度前後と涼しかった。だが、2日前までは40度近くあったという。

 重慶市民は辛いものを食べる。日本でも知られている火鍋だけでなく、どんな食べ物にもピリ辛唐辛子がたっぷり入っている。

 おかげで女性の肌は艶々である。ここの女性は酒にも強い。2010年の夏に重慶を訪問した際、3人の美女が冷えたジョッキのビール(500ミリリットル)を片手に、次々と襲いかかってきた。乾杯を要求してくるのである。乾杯の後は一気飲みするのだ。コテンぱんに潰された、あの時の情景を昨日のことのように覚えている。

 5月21日の22時、重慶空港に着陸した。そのままタクシーに乗って市内へ向かった。本来であれば30分以内で市内まで行けるのだが、この時期は道路工事中ということで、遠回りした。ラッシュの時間から大幅にずれていたにもかかわらず、50分を要した。夜遅くだというのに、道路から高層ビルまで、工事がにぎやかに行われていた。建設ラッシュがまだまだ続いているのであろう。

「公安」の文字が消えた

 一つ気になったことがあった。

 ご存じの読者も多いと察するが、ここ数年、中国国内で「重慶」と言えば、「打黒」(中国語でダーヘイと読む。「マフィア掃討作戦」を指す)が連想される。中国には「黒社会(ヘイシャーホイ)」という言葉があり、ヤクザやマフィアなどグループ化した組織のことを指す。

 前回来た時には、街の至るところに「公安」と書かれた警察の車が止まっていた。スラム街のような薄汚い道端で違法に商売をする闇ビジネスやマフィアを取り締まるためだ。

 重慶市全体がベールに包まれているようだった。共産党当局が面子をかけて、監視ネットワークを張り巡らしていた。「いかなるマフィアも打倒する!」「言うことを聞かない人間は叩き潰す!」という異様な、独特な雰囲気を感じた。脳みそが叩き割られるような、みぞおちを打たれるような、階段から突き落とされるような、そんな痛々しい感覚すら起きたものだ。

 ところが、今回は何も感じなかった。別世界に来たようなイメージだった。なんだかすがすがしい。爽やかな感じすら覚えた。

飲みに行く話しをしているのに、なぜ運転してくるんだ?

 重慶大学などいくつかの大学キャンパスが密集している沙坪坝区のホテルにチェックインした。時間は23時を回っていた。北京大学時代のクラスメートで、現在は重慶市公安局で幹部として勤務するLの携帯電話を鳴らした。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「重慶からマフィアが消えた」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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