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ミシシッピ川増水で遅れる貨物船の航行

操舵の指示も伝わらない、水先案内人の苦労

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2011年6月8日(水)

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Duane Stanford(Bloomberg News記者)
米国時間2011年5月25日更新「Trade Slows as the Mississippi River Floods

 5月17日、ミシシッピ川河口の水先案内人、コーリー・ハイトマイヤー船長は、乗船する前に、その日が神経を使う厄介な1日になる兆しを目にした。波止場で、パナマ船籍の貨物船に乗組員を送り届ける交通船の到着を待っていると、舗装道路は既に冠水しており、砂利を敷いた間に合わせの車道がこしらえてあった。

 ハイトマイヤー氏ら水先案内人は、年間の総輸送量が4億4800万トンにも上る、ミシシッピ川河口を航行する貨物船を誘導している。気象条件の良い日でも、この仕事は神経を使う。世界で4番目に長いこの川は流れが変わりやすく、水中の障害物が多いうえに、船舶の往来が激しい。

 ハイトマイヤー氏がその貨物船に乗り込む前日に、ミシシッピ川はニューオーリンズで最高水位に達していた。北の上流で降った雨と雪で増水したためだ。その時点で彼の仕事は危険なものになっていた。ハイトマイヤー氏は「川で操船を誤ると、誰かが死んだり、乗組員全員が死亡という事態も起こりうる」と言う。

 過去の洪水の経験から、ミシシッピ川を航行する貨物船は積載量が制限されている。メンフィスの調査会社インフォーマ・エコノミクスの2010年の報告書によると、ミシシッピ川とこれにつながる水路では、2万500艘のはしけ船が航行している。それ以外は、ほとんどがメキシコ湾から世界に出航していくタンカーや貨物船だ。

 ハイトマイヤー氏の受け持ち河川区域に含まれるニューオーリンズ港を航行する貨物船が稼ぎ出す経済生産高は、毎年約370億ドル(約2兆9600億円)に達する(同港広報担当クリス・ボヌーラ氏)。また、米国立公園局によると、米国が輸出する穀物のおよそ60%がミシシッピ川を下り、ニーオーリンズ港とサウスルイジアナ港を経由する。

大型船は水に浮かぶ「爆弾」

 しかし、川の水位がこれほど高いと、すべてがいつも通りには行かない。陸軍工兵部隊ミシシッピ川流域部隊の航行輸送責任者スティーブ・ジョーンズ氏は、普段なら引き船1隻で、1200~1500トンのはしけ船を30~40艘同時に上流へ引っ張ることができると言う。諸条件により、はしけ船の数は現在20艘に減らされている。

 水先案内人たちが「オールドガール」と呼ぶ大型船は、金銭的リスクと人的被害のリスクの両方を抱えている。タンカーは石油から有毒化学物質まであらゆる物を運ぶ。流出事故が起こった場合、乗組員にも流域の町にも壊滅的な被害を及ぼしかねない。大型船が堤防に激突して決壊させてしまえば、大洪水を引き起こしかねない。「こいつらは水に浮かぶ…例のアレだよ。そのことは考えたくもない」。ハイトマイヤー氏は「爆弾」という言葉を言いかけて止めた。

 案内人たちは川を隅から隅まで知り尽くしている。水先案内人になって10年になるベテランのハイトマイヤー氏は、免許を取る際、自分が受け持つことになる流域147マイル(237キロメートル)の詳細な河川図を描かされた。この日彼が誘導するのは「フェデラル・バフィン」号。アメフトの競技場2個分よりも長いばら積み貨物船で、ロシアから22日かけてカリ肥料を運んできた。4基のクレーンに加えて、ヘリコプターの離着陸場まで備えたこの貨物船は、砂利を積み込んでから、31日かけて日本に向かう予定である。

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