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アプリ開発者を引きつけるアップルの戦略

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2011年6月17日(金)

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Peter Burrows(Bloomberg Businessweekシニアライター、サンフランシスコ)
米国時間2011年6月8日更新「 How Apple Feeds Its Army of App Makers

 米アップル(AAPL)は6月6日から、開発者向け年次イベント「ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス(WWDC)」を米サンフランシスコで開催した。

 欧州やアジアから訪れたファンが開催前夜から会場に列を作り、夜を明かした。アプリ開発者のアンドリュー・ストーン氏(55歳)は、開催当日の午前3時45分に起床。スティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)による基調講演――午前10時に始まる予定――の観覧を希望する、ハイテク製品マニアの列に並んだ。

 やせ形で背の高いストーン氏は元建築技師で、アップル製品向けソフトの開発に1980年代から携わっている。過去14年間、このイベントに早朝から参加してきたストーン氏は、アップル愛好者仲間との交流を楽しんだ。

 2011年のWWDCは、例年以上に好況ムードに包まれていた。開発者らには、仕事の契約が続々と舞い込んでおり、活況を享受している。ストーン氏は「幸福感でいっぱいのWWDC参加者がどれだけたくさん居るか、想像もつかない」と語る。同氏はWWDCの開催前日に米ニューメキシコ州アルバカーキの自宅から飛行機で駆けつけた。数年前は、計3000ドル(約24万円)あまりの入場料と旅費を工面するのも一苦労の参加者が多かったという。それが「今では、優れたアプリ開発者は好きなだけ稼げるビジネス環境が整っている」(同氏)。

 WWDCの会場の外に参加者が列をなす様子は、アプリ開発者を引きつけるアップルの取り組みの成果を象徴している。アップル製品用アプリを制作する独立系開発者は42万5000人に達する。Android用アプリ開発者のほぼ2倍だ。この開発者の数の差は、消費者が「iPad」や「iPhone」、「iPod touch」を合計2億台以上購入していることが大きな要因だ。

 ジョブズCEOはWWDCでの講演で、パソコン主体ではない、新しいオンラインサービス時代の構想を示した。さらに、プログラマーには斬新なソフトウエアを生み出す大きな機会が広がっていると語った。「『Windows』搭載パソコンや『Mac』は端末の選択肢の一つにすぎなくなり、クラウドがデジタル生活の拠点になるだろう」(同CEO)。

 これに加えてジョブズCEOは、新サービス「iCloud」を発表した。これを使えば、iPhoneにダウンロードして編集した写真や音楽などのファイルを、無線通信で自動的に同期して、自分が所有するほかのアップル製端末で楽しむことができる。逆に、ほかの端末から手元のiPhoneにデータを送ることもできる。

アップル端末の巨大なユーザーベースがアプリ開発者を引きつける

 さらに新サービス「iMessage」を使えば、テキスト通信や音声、動画で、これまで以上に簡単にコミュニケーションを取れるようになる。アップルの携帯端末用OS「iOS」は進化し、写真撮影やファイル共有、記事検索をしやすくなる。アップルが自社製品に消費者を引きつけている限り、開発者のアプリ開発意欲も高まる。

 ストーン氏をはじめとする独立系開発者らは理想主義や平等主義の傾向が強く、外部開発者や消費者の行動に大企業が介入することを警戒する。それでも、アップルは洗練された使いやすいプログラミングツールなどの実利的な魅力を提供し、アプリ開発者を巧みに引きつけている。

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