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欧米に骨抜きにされた日本の援助哲学

「自らを助け、共に汗をかく」ことが理解されない

  • 荒木 光弥

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2011年6月20日(月)

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 ODAは、その実態を正確に理解されぬまま悪者扱いされることが多い。その「悪玉論」がいつごろから、どのような経緯で形作られていったかについては、稿を改めて解説したいと思っている。その前段階として、まずは「ODAとは何か」という基本的なところから説明していきたい。

「先進国の援助クラブ」入りから始まった

 ODAとは「政府開発援助」を意味する英語の頭文字から取ったものである。日本がその活動に加わったのは1964年。アジアにある先進国として初めて、フランス・パリに本部があるOECD(経済協力開発機構)に加盟し、その下部組織で、“先進国の援助クラブ”と称されるDAC(開発援助委員会)に仲間入りした時からである。日本はこの時から一種の紳士協定とも言えるDACの規範に従うことになった。

 OECDによると、途上国援助を先進国からの資金の流れと見て、その全体を「経済協力」としてとらえ、3つに大別している。

1. ODA
2. OOF(その他の政府資金の流れ。例えば国際協力銀行の民間への投融資など)
3. PF(民間資金の流れ。途上国への民間投融資からNPO=非営利団体、NGO=非政府組織などのボランティア活動まで含まれる)。

 その中でODAはしっかりと定義されている。

(1)政府ないし政府機関(JICA=国際協力機構など)の予算であること
(2)開発途上国の経済開発や福祉の向上に寄与すること
(3)資金協力の場合、援助の贈与度を示すグラント・エレメントが25%以上であること

 もう少し説明しよう。

 (1)の「政府予算である」ということは、「ODAはチャリティー事業ではなく、国の事業である」ということを意味している。
 (3)の「贈与度25%」とは、お金を貸す援助のうち25%は贈与にしなければならない、ということだ。

日本にしびれを切らした欧米勢

 円を貸し出すことで援助する日本の「円借款協力」が、ある意味、狙い撃ちされているとも言える。その定めに従うと、円借款協力は援助条件として金利を市中金利よりもかなり安くし、返済期間を25年以上と長くし、返済の据置き期間も長目にしなければならない。

 さらに、そのプロジェクトの施工者は国際入札で決めなければならない。つまり、日本の円借款協力はタイド(日本企業が施工したり、日本製機材を購入したりするヒモ付き)でなく、ヒモの付かないアンタイド(国際入札)にしなければならないという条件がついた。

 このアンタイド条件は1960年代から70年代の日本の輸出振興時代では痛手であった。

コメント12件コメント/レビュー

「仕分け」を見て、多くの国民が選んだ政治家には自国の事業を適切に評価する能力が無いことが分かりましたね。批判に晒されたスパコンは世界一になりました。なぜ、世界一が必要か科学技術で国を支えている場合は自明ですよね。このサイトの読者なら説明は不要でしょう。政治家に欧米の価値観でことを決める訳にはいかないと突っぱねる胆力が無いものかと常々思います。(2011/06/20)

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いただいたコメント

「仕分け」を見て、多くの国民が選んだ政治家には自国の事業を適切に評価する能力が無いことが分かりましたね。批判に晒されたスパコンは世界一になりました。なぜ、世界一が必要か科学技術で国を支えている場合は自明ですよね。このサイトの読者なら説明は不要でしょう。政治家に欧米の価値観でことを決める訳にはいかないと突っぱねる胆力が無いものかと常々思います。(2011/06/20)

ネットとグロスが違いは日本国内に対してもトリックですよね?なんか煙に巻いてるとしか思えません。東南アジアの国造りがスピードアップされたっておっしゃってますが、どこまがODAの成果なんですかね?アフリカなんか援助いくら注ぎこんでも相対的には貧しいままの国の方が多いと思うんですが。でも、最近は資源関係で潤ってる国もあるし、作者の方からすれば、それもODAの成果って事になるんでしょうけど。ODAには評価の問題もあるので、それも後々触れていただきたい。それと、ODA大綱には、民主化の促進だとか書いてあるはずですが?そういうのはスルーして、作者の方の言い方借りれば、「ノンポリ」で「良くも悪くも」独裁国家にまで援助して、独裁者や独裁政党にも「安心感」持たれた訳ですよね?要請型だから、現地の貧乏な人たちは行けないような豪華な病院とか作ったりするんじゃないですか?そりゃ、向こうの国の権力者は喜ぶし批判もしませんよ。それこそ相手国からすれば日本が”ヒモ”じゃないですか。自分はODA全部が悪いとか言ってる訳じゃないですよ。でも、次回予告からすると、ODAの自己弁護に終始するような気がします。(2011/06/20)

同感です。日本の技術も優秀でコストも安いのだから、押し売り商法でもないし、相手国の自立を促す日本式の円借款、何がいけないのか。欧米の規約に贈与25%とあるが、それこそ白人優位主義の上から目線では。“借りたものは返す”ことをしてこその自立。その結果、援助した国(日本)とも対等に付き合える。どんな場合でも「ただでおかねを貰う」行為はよろしくない。最低限、出世払いだ。(2011/06/20)

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