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IMFの次期専務理事候補、ラガルド仏財務相ってどんな人?

1兆ドルに及ぶユーロ救済策を数時間でまとめ上げた

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2011年6月22日(水)

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Carol Matlack(Bloomberg Businessweekパリ特派員)
米国時間2011年6月9日更新 Is Christine Lagarde Right for the IMF?

 2010年5月9日の日曜日、欧州連合(EU)各国の財務相が共通通貨ユーロを守るため、緊急会議を開催した。事態の深刻さが次々と明るみに出ていた。会議の前の週、世界中の市場が下落。ギリシャのソブリン債危機がユーロ圏諸国に連鎖的な影響を及ぼし、既に経営状況が悪化している金融機関が債務不履行に陥ると懸念されたからだ。

 アジア諸国の市場取引開始が数時間後に迫る中、EU諸国の財務相らはユーロのパニック売りを避けるため、早急な対策に乗り出す必要に迫られていた。議長国スペインのエレナ・サルガド財務相が緊急の財務相会議を招集した。

 各国の財務相や補佐官、通訳らが広い会議室に詰めかける中、さらに悪いニュースが発生した。この会議の重要メンバーである、EU最大の経済国ドイツのヴォルフガング・ショイブレ財務相が病気で入院したのだ。ドイツは代理の代表者を派遣したが、到着は1時間以上遅れた。フランスのクリスティーヌ・ラガルド財務相(55歳)は休会を要請し、建物内の控え室に下がった。

ユーロを救う財政支援策を数時間でまとめる

 ラガルド仏財務相はこの時、国際通貨基金(IMF)の専務理事として危機管理を担う能力があることを示す絶好の機会を得た。その後数時間、同財務相の控え室は国際交渉を指揮する総司令部となり、前例のない1兆ドルを超えるユーロ救済策を取りまとめた。

 匿名を条件に語ったある補佐官によれば、ラガルド財務相はカウチに腰掛け、政府当局者からの数十本の電話に巧みに対応した。こうした電話の中には、ティモシー・F・ガイトナー米財務長官や、欧州以外の国の財務相との電話会議もあった。同財務相は30分ほどの間隔で、欧州各国の中央銀行総裁とIMFのドミニク・ストロスカーン専務理事(当時)が集まっていたスイス・バーゼルと連絡を取り合った。

 ショイブレ独財務相の代理として、トーマス・デメジエール独内相(当時、現国防相)がベルギーのブリュッセルに到着。デメジエール内相はラガルド財務相の執務室を訪れ、ドイツの立場を説明した。ほかにも、スペインのサルガド財務相やEUの行政執行機関、欧州委員会のオッリ・レーン委員(経済・通貨担当)などが執務室に出入りした。仏財務相は少し離れた場所に相手を連れて行き、2人だけで話し込むこともあった。

 深夜2時には、ユーロ加盟国16カ国とその他のEU諸国、IMFが債務を保証する債券を発行し、危機に陥ったユーロ圏諸国を財政支援する計画について合意がなった。EU諸国の財務相らが合意内容に関する共同声明を発表した後、アジアの市場が開場。株式や債券の価格は値上がりした。

 ラガルド財務相は協議中、落ち着き払った態度を示し続けた。だが、後に米ブルームバーグ・ニュースの取材で、ユーロが暴落する事態を強く懸念していたと認めている。「ユーロ相場が崩壊するのではないかという恐怖に襲われていた」(同財務相)。

欧州諸国はラガルド氏のIMF専務理事就任を支持

 この晩のラガルド財務相の活躍ぶりを見れば、世界の経済政策を左右する極めて重要なポストであるIMF次期専務理事の最有力候補に同財務相がなっているのもうなずける。IMF専務理事だったストラスカーン氏は米ニューヨークの女性ホテル従業員に対する性的暴行容疑で逮捕され、裁判に専念するとして5月18日に辞任。IMFは6月30日までに後任の専務理事を決定する見通しだ。

 一方、「IMFは次期専務理事を新興国から選ぶべきだ」との批判もある。新興国からIMF専務理事就任に意欲を示している人物には、メキシコのアウグスティン・カルステンス中央銀行総裁や南アフリカ共和国のトレバー・マニュエル元財務相、カザフスタンのグリゴリー・マルチェンコ中央銀行総裁などがいる。

 今のところ、これら新興国の候補で幅広い支持を得ている人物はいない。これに対して、欧州指導者らは、5月25日にパリで立候補を表明したラガルド仏財務相を支持することで結束している。デービッド・キャメロン英首相は5月27日、「ラガルド氏はIMF専務理事の職務にふさわしい資質を備えている」と称賛した。

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