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「この人は、もうすぐ死ぬんだし」えっ!

ブータン人の「幸せ力」を探る(2)

  • 御手洗 瑞子

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2011年6月30日(木)

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(前回『「幸せの範囲」が広いほど楽しくなる』から読む)

 さて、もう1つ、ブータンの人たちと暮らしをしていて、これは彼らの幸せの秘訣になっているかもなぁと思うことがあります。それは、「自分を追い詰めない」こと。

何か失敗してしまった、
人に迷惑をかけてしまった、
約束が守れなかった、
ほかのひとに批判された、
・・・。

 そのような、日本人だったら「うー、どうしよう」と思ってしまったり、「もっと自分は何かできたのではないか」と自分を責めて悩んでしまったりしかねないシチュエーションも、ブータンの人は、けろっとやり過ごすような気がします。

 例えば、こんなことです。

さぞかし彼は凹んでいるだろう、と思いきや

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 仕事で上司が海外のミーティングに参加することになっていた。大切なお客様から招待され、もちろん参加させていただくと連絡してあった。しかし、あいにくピークシーズンだったので、担当者がフライトの手配を始めたころには既にフライトが満席になっていて確保できなかった。ある朝、その旨を上司に報告する。もちろん上司は大目玉・・・。

 というようなことが起こったとします。上司の前で、その担当者は神妙にします。私は見ていて、こんなことをしでかしてしまって、さぞかし彼は凹んでいることだろう・・・と思い、ちょっとお昼にでも声かけておこう、と食堂に向かう。するとそこには友人たちと楽しそうに食事をしている彼の姿を見かける。失敗したことを気にしている様子は微塵もない。とっても楽しそうにごはんを食べて、友人たちと談笑している。

 落ち込んでいないことにほっとしながらも、「大丈夫?」と声をかけると、こんな答えが返ってきます。

「ホント、彼(上司)はいっつも怒るんだよねぇ、怒りすぎだよねぇ」
「でもピークシーズンなんだから、フライトが確保できないことがあるのはしょうがない。残念ながら時期が悪かったんだよ」
「ほかに席を確保する手段がないか、確認するけれど、無理かもね。まぁ無理だったら、先方に無理だったと伝えるしかないよね」
「このミーティングは、時期と運が悪かったんだよ。仕方がない。でもまぁキャンセルが出たらチケットを取れるかもしれないし。ちょっと様子を見てみよう。なるようになるさ」

「割り切る力」が強い気がする

 何とも、さっぱりしています。そして、けろっとした顔で楽しそうにごはんを食べています。たとえば私たち日本人だったら、

「ピークシーズンだと言うことは分かっていたのだから、もっと早めにフライトの手配を始めればよかったのではないか」

と後悔したり、

「万が一上司がミーティングに参加できなかったら、先方にも多大な迷惑をかけてしまう・・・」

と想像してつらく思ったり、

「上司にミスをこっぴどく怒られてしまった・・・。できないやつと思われたのではないか」

とハラハラしたりすることもあるのではないでしょうか。

 でもブータンの人たちは、私たち日本人よりずっと「割り切る力」が強い気がします。それは仕方がなかったんだ、と言い、くよくよしない、自分を責め、追い詰めすぎない、という傾向があるように思います。そしてそれは、彼らがリラックスして人生を生きていく上での秘訣でもあるように思います。

 怒られても、失敗しても、次の瞬間には、「あはは~」と仲間と楽しそうに笑いながらごはんを食べる。そんな同僚を見ては、この「割り切り力」に感服します。

 彼らが、何かうまくいかないことがあっても、苛立ったり自分を責めたりせず「仕方がなかった」と思えるのはなぜなのでしょうか。

コメント42件コメント/レビュー

確かに割り切りが良ければうまければくよくよと悩む事もなく楽しく生きていけます。一方困難にもめげ立ち向かい克服した結果、人類は進化と文明を手に入れました。何を割り切り、何に立ち向かうのか。これは各個人、社会の価値観なので一概に同じ答えが出てくるものでもないと思います。現代の世界はなんだかんだ良いながら物質・拝金文化なのでブータンがそれに背を向けるのであれば応援したい気持ちです。でも「幸せ」を「豊か」に置き換えてしまうと先進諸国に隷属してしまう事をブータンの人に理解して貰いたいですね。(2011/08/11)

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いただいたコメント

確かに割り切りが良ければうまければくよくよと悩む事もなく楽しく生きていけます。一方困難にもめげ立ち向かい克服した結果、人類は進化と文明を手に入れました。何を割り切り、何に立ち向かうのか。これは各個人、社会の価値観なので一概に同じ答えが出てくるものでもないと思います。現代の世界はなんだかんだ良いながら物質・拝金文化なのでブータンがそれに背を向けるのであれば応援したい気持ちです。でも「幸せ」を「豊か」に置き換えてしまうと先進諸国に隷属してしまう事をブータンの人に理解して貰いたいですね。(2011/08/11)

はぁ~すてきな文章でした。御手洗さんのお人柄も、文章からにじむようで、読んでいて、あたたかい気持ちになりました。ブータンに行きたいと思い始めて、早数年。それも、御手洗さんが書かれるような、ブータン人の幸せ力を探りに行きたいと思っていたので、同じことを考えていらっしゃる同年代の女性ということで、勝手にとても共感してしまいました。いつか御手洗さんにお会いしたいなぁーなんて思いました。これからもたのしみにしています。(2011/07/28)

読んでいて、昔、小学生の女の子を殺して「自分の中の悪魔が命令した」とかあほな事を言っている男が居たのを思い出してしまった。 読んでいても彼らの考えはさっぱりわからなかった。どう考えても彼らと判り合えない、と言うことは理解した。(2011/07/11)

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三品 和広 神戸大学教授