• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

激烈極まる中国の人権弁護士弾圧

胡散臭さは承知だが、「正義」掲げずに隣人は救えない

2011年7月6日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 正直に言えば、正義や人道、人権という言葉を大声で叫ぶとどこか胡散臭い気がする。欧米の人たちは人権意識が高く、正義と言う言葉も自信を持って使うが、それも時々、都合よく使われている気がする。

 例えば、国際刑事裁判所(ICC)から、ダルフール虐殺で民族浄化を命令した容疑、人道に対する罪の容疑で逮捕状が出ているスーダンのバシル大統領が中国を訪問し、29日に胡錦濤国家主席と握手を交わした。ICCの判断に関わらず、中国とスーダンの友好が継続していくことを表明したのだ。香港のフェニックステレビのニュースによれば、これを米国のスーダン担当特使、プリンストン・ライマン氏は1日の会見で「中国政府はスーダンに的確なメッセージを送っただろう」と評価した。

 米国は従来、中国はけしからん、と非難していたが、今になって中国はスーダンに暴力を止めるように言ってくれている、と手のひらを返したように言う。

米中でウィン-ウィン関係を確認

 フェニックステレビのニュースによると、ライマン氏は中国の劉貴今・アフリカ問題特別代表と何度か会談した結果、米中ともにスーダンにおいて利益があると確認したそうだ。ライマン氏は「我々と中国はスーダンにおいて分かち合うものは非常に多い。スーダン側も文明的であることを望んでおり、平和な南北関係を望んでいる」と述べた。

 上質の石油資源に恵まれたスーダンに対し、人道を理由にスーダン資源への食い込みにおいて中国に遅れを取ることになった米国と、資源が集中するスーダン南部の独立でこれまでに築いてきた石油利権への影響を懸念する中国。この両国の間で、それなりのウィン-ウィン関係が確認されたということなのだろう。米国の言う正義や人道とは、この程度なのかと思ってしまう。  

 なので、私もあまり、人権、人道という言葉を振りかざしたくないのだが、それでも目に余る人権弾圧、人道無視というものはある。中国で暮らしていた時は、少なからずそれを目の当たりにしてきた。

 先日、そういう体験を話してほしい、とアムネスティ・インターナショナル日本広島グループに招かれて広島を訪れたのだが、テーマが、その前日にアムネスティが発表した中国の人権弁護士たちに対する弾圧の現状に関するリポートと重なった。

 これを読むに、改めて中国の人権弾圧は凄まじい。何より人権を擁護する立場にある弁護士たちが拘束され、拷問を受け、迫害され、恫喝され、飼い馴らされてコントロールされている。これで、どうやって一般庶民の人権など守ることができるだろう。

司法当局から中国十大弁護士として表彰

 このリポートで最初に迫害された人権弁護士として紹介され、今も「行方不明」の高智晟さんは、私自身、2006年3月にインタビューしたことのある人物である。

 彼は当時、当局の暴政を訴えるとして、ハンガーストライキリレーを呼びかけた。これに賛同してハンストリレーに参加する人たちは国内外で1万人を超えた。私の印象では、決して過激な扇動を行うような人には見えなかった。知的で落ち着きがあり、そして非常に楽観的だった。

 ハンストといっても7人の弁護士が1週間に1日ずつ曜日を決めて交代で自宅で1人で絶食を行うだけだ。静かな抵抗なので「当局も私たちを逮捕する理由を見つけられないよ」と言っていた。2001年には司法当局から中国十大弁護士として表彰されたこともある優秀な弁護士であり、中国の未来に希望を持っていた。「インドだって中東の国々だって民主化している。中国にできないわけがない」と笑顔で話していた。

 まさかその高さんが、拘束され、恐ろしい拷問にいじめ抜かれ生死も分からぬ状況になるとは、その時、想像できなかった。

コメント9件コメント/レビュー

19世紀からでもモンゴル系の征服の結果でも無く、秦の始皇帝の頃から残虐性であり官史の腐敗と云うことかと。突然変異のような孔子に惑わされてはいけません。ついこの間までその孔子も批判していたお国です。農村戸籍と都市戸籍の差がそもそも人権侵害ですから、住んでいて気が付かない人に何か言われても「何を仰いますか」でしょう。(2011/07/08)

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「激烈極まる中国の人権弁護士弾圧」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

19世紀からでもモンゴル系の征服の結果でも無く、秦の始皇帝の頃から残虐性であり官史の腐敗と云うことかと。突然変異のような孔子に惑わされてはいけません。ついこの間までその孔子も批判していたお国です。農村戸籍と都市戸籍の差がそもそも人権侵害ですから、住んでいて気が付かない人に何か言われても「何を仰いますか」でしょう。(2011/07/08)

この記事が本当だとすると恐ろしいことだ(たぶん本当なのだろうが)。中国は19世紀から進歩していない。法治ではなく人治。しかしまさに「警察はグルなので立件すらされない」という治外法権の業界が、我が日本国にも存在する。誰でも3店方式など子供の言い訳にもならないとわかっているのに。パチンコがはびこっている現実がある限り、日本人も中国の警察をバカにできない。(2011/07/06)

福島さんの書く記事が、段々と現代中国の本質に迫る視点から遠ざかり、何か平面的な評や紹介に止まって来ている様に思われ大変残念です。自分の意見は?で底の浅い加藤氏、チョッと思い入れが強くて偏った遠藤氏とは違った魅力を感じていたのですが。◆さて、中国における建前の法治国家と人権弁護士の受難の本質的構造は何なのでしょうか? 少しを掘り下げますと、党のイデオロギーと対立する主張をするのでここまで徹底して迫害する? 党組織を堅持し社会の安定を図るので不満分子に断固たる鉄槌を下す? イイエ、全部違うでしょう。 告発された既得権益の構造とその受益者をお互いに守る為、徹底した口封じと抹殺を図るという構図でしょう。 この構図は、現代中国に生まれた事ではなく、清王朝やそれ以前の王朝の腐敗官吏や悪徳地方役人が行ってきたものと同じです。▼つまり、社会を構成する個人が進歩していないので、いくら近代的統治の制度を造っても形だけのものに終わり、現代社会への移行は表面的なものに止まると。まぁ、日本と比較しても無意味と。(muff)(2011/07/06)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授