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ブータン家庭はかかあ天下、そこで夫は…

都市化と共に変化する家庭、恋愛、結婚、そして浮気事情

  • 御手洗 瑞子

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2011年7月14日(木)

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 ブータンで働き暮らしていると、女性の存在感の強さを感じます。

 私が所属しているGNHC(国民総幸福度コミッション)は、政府の中で全体の計画を示し重要政策を統括するという役割を担っており、若手公務員からの人気が高い職場でもあります。職員のほとんどは海外の大学・大学院を卒業しており、世界銀行など国際機関での勤務経験がある人も少なくありません。

私の職場は、過半数が女性職員

 そんなGNHCの職場をのぞくと、きっと多くの方は驚かれることと思います。女性がとても多いのです。例えば私のいる部署は、職員の過半数が女性です。

 GNHC内には女性が部長の部署もあります。さらに上のポジションに女性が就くこともあり、例えば教育省の次官(官僚トップ)は女性です。

 私の個人的な知り合いの女性たちも、ほとんどが仕事をしています。医師、CMプランナー、ファッションデザイナー、飲食店経営、NGO代表、政府機関の管理職・・・。

 様々な分野で、当然のように女性が活躍しています。

 また、女性がとても堂々と仕事をしています。私の職場のGNHCでは、圧倒的に女性の声の方が大きい気がします。会議では、だいたい女性がたくさん発言し、侃々諤々の議論をし、男性の方が聞き役・まとめ役に回っていることが多いのではないでしょうか。もちろんどちらが上などということではないのですが、おおまかな印象では、女性の方が奔放で、男性の方がジェントルマン、といった感じです。

 もちろん職場により違うとは思いますが、多かれ少なかれ、ブータンの職場では女性が生き生きしているように感じます。

家事は分担、手料理は夫の方が上手!?

政府機関で幹部を務めるチミー・ペムさん。職場のカフェテリアにて

 では、どうしてブータン女性はこれほど社会進出できているのでしょうか。家庭はどうなっているのでしょうか。だんなさんとの関係は?

 今回は、ある政府関係機関で幹部職を務める女性、チミー・ペムさんにインタビューをしました。彼女は40代の女性で、14歳の娘さんとだんなさんの3人暮らしです。だんなさんは財務省のお仕事をされています。週末は、ブータンの地方の貧困をなくすための草の根の活動をしている非政府組織(NGO)で働いています。

 お昼休みに職場のカフェテリアでお話をうかがいました。優雅な民族衣装「キラ」に身を包んだチミーさんは、快くインタビューに応じてくださいました。

―― ブータンでこのような高いポジションに就かれてますが、ふだんご家庭のお仕事などはどうされてるのですか。

 チミー 今は全部自分たちでやっています。私と主人、どちらが何をするなどは決めていないのですが、家にいる方がやります。でも、うちの場合は主人が仕事から帰るのが遅いので、食事を作るなど私がすることが多いですね。

 チミーさんのご主人は財務省で国家予算案などを策定するディレクターをされており、大変ご多忙とのこと。毎日とても遅いとおっしゃるので、何時ぐらいにご帰宅するのかうかがったところ、眉をひそめて、「毎晩、19時から20時ぐらいにはなってしまいます」とのこと。

 通常、オフィスでの仕事が17時には終わるブータン(しかも公務員は11~翌2月の冬期は16時まで)。普通、だんなさんは17時半には家にいるそうで、19時や20時というのは相当遅いようです。

 また、ブータンでは、仕事の後に飲みに行くなど、夜に外食する習慣もほとんどないので、通常は夕食前に家族が全員家に帰り、手分けして夕食を作り、一緒に食事をするそうです。

コメント11件コメント/レビュー

ふた昔ぐらい前の日本について読んだ話にだいぶ似ているな、と思いました▼日本は少なくとも平安期までは母系社会だったようです。ブータンと同じく家は女性のもので、固定資産は女性が相続していたとのこと。男性は女性の家に夜這いをかけ、当家に婿入りするというのが一般的だったそうです▼柳田国男の著書だったと思いますが、日本でも一部の農村には戦前まで同様の、つまり適齢期の女子には男子が夜這いをかけ、朝まで居れれば結婚が決まるという文化が残っていたとか。漁村がどうだったか、相続がどうなっていたかまでは確認できませんでしたが、恐らく相続は明治憲法の為に男性相続になっていたように思います(うろ覚えですみません)▼日本で父権が強化されたのは江戸期の侍が最も顕著だったかと思います。日本の父権、母権の研究書籍も稀に書店で見かけますので、読んでみても面白いかもしれません。(2011/07/21)

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ふた昔ぐらい前の日本について読んだ話にだいぶ似ているな、と思いました▼日本は少なくとも平安期までは母系社会だったようです。ブータンと同じく家は女性のもので、固定資産は女性が相続していたとのこと。男性は女性の家に夜這いをかけ、当家に婿入りするというのが一般的だったそうです▼柳田国男の著書だったと思いますが、日本でも一部の農村には戦前まで同様の、つまり適齢期の女子には男子が夜這いをかけ、朝まで居れれば結婚が決まるという文化が残っていたとか。漁村がどうだったか、相続がどうなっていたかまでは確認できませんでしたが、恐らく相続は明治憲法の為に男性相続になっていたように思います(うろ覚えですみません)▼日本で父権が強化されたのは江戸期の侍が最も顕著だったかと思います。日本の父権、母権の研究書籍も稀に書店で見かけますので、読んでみても面白いかもしれません。(2011/07/21)

 社会文化により、個人の生活やひいては国の在り方にまで影響する興味ある実例です。日本も江戸時代は銭湯にて男女混浴が当たり前で、日本に来た外国人が犯罪が起こらないのかとびっくりしたとのエピソードは有名ですよね。ブータンが抱える経済問題をベースにしながら笑えるエピソードもあり刺激されます。(2011/07/16)

以前、バハオーフェンの『母権論』を読み、こうした母権制社会が地球上に在ることを初めて知りました。ブータンには行ったことはありませんが、このバハオーフェンの『母権論』の内容と、御手洗さんが現地で感得された体験記事とをいつも重ね合わせながら拝読させてもらっています。父権制社会は、文明、思想、国家、発明と産業、そして進歩といった要素に力点を置く社会なのに対し、母権制社会は、自然な結びつき、自然な平等、愛といった要素を強調する社会なのだそうですね。御手洗さんの体験記事からもそれを感得することができます。ただ、父権制社会も母権制社会も、負の部分はあるもので、あまりどちらかが強すぎてもよろしくないと考えています。父権制が強すぎる社会の最たる負のものは”戦争”であり、母権制が強すぎる社会の最たる負のものは、”無秩序”なのでしょう。いかに双方の正のバランスをとりながら、戦争もなく秩序ある社会作りこそが”幸せの国”への方向性なのかと個人的には思っています。(2011/07/15)

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