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政府がどう努力しても、政策で経済状況は変えられない?!

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2011年7月14日(木)

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Zachary Karabell(Bloomberg Businessweek寄稿執筆者)
米国時間2011年6月30日更新「Does Government Matter?

 米国が建国235周年を迎えるなか、ワシントンでは例年通り、激しい論争が繰り広げられている。今回、焦点となっているのは、米議会が米国の債務上限を引き上げ、米政府が債務不履行(デフォルト)に陥る事態を回避すべきかどうかだ。

 これは党派対立が先鋭化しやすい問題だ。米政府の債務残高はGDP(国内総生産)比95%近くに達している。共和党は増税によって政府財源を確保することに強く反対している。そもそも政府が招いた問題であり、政府の規模をさらに拡大するのは問題解決に逆行すると主張する。共和党のジョン・ベイナー下院議長は「この債務問題を招いた元凶は、政府による介入や、『借金が米経済に好ましい効果をもたらす』という政治家の間違った認識だ」と批判する。

 共和党は、債務上限引き上げに同意する条件として、政府支出の大幅な削減を求めている。一方、民主党は、緊縮財政は景気回復の妨げになると反論。政府の積極的な関与が今後も経済成長にとって重要だと主張する。バラク・オバマ米大統領は最近、「我々は緊縮財政で繁栄を享受することはできない」と語った。

 政府は問題を引き起こす元凶なのか、あるいは問題を解決する救世主なのか。今回の債務上限をめぐる対立は新たな動きだが、論争の中身自体は目新しいものではない。19世紀末の進歩主義の時代から1920年代の自由放任主義の時代の論争も同じだった。米ルーズベルト政権のニューディール政策や米ジョンソン政権の「偉大な社会」計画から、「政府こそが問題」と宣言したロナルド・レーガン米大統領(当時)の保守主義革命における論争も同様だった。

 保守派とリベラル派が対立する中で、唯一考えが一致していたのは、「政府には影響力がある」という点かもしれない。リベラル派は政府が適切な役割を果たせば、経済的繁栄につながると考えている。保守派は小さな政府の方が好ましいと考えているが、政府の行動に影響力がないとは考えていない。米国の政治・経済的な議論は、良くも悪くも政府が国家経済に影響を及ぼすという共通の前提に基づいていた。

 だが、この前提が間違っていて、政府が問題の元凶でも救世主でもないとしたらどうだろうか。米国が現在直面している問題について、政府は何ら影響を及ぼす能力がないとしたらどうだろうか。

FRBは金利を操作できなくなった

 1929年の金融危機の直後、ハーバート・フーバー米大統領(当時)は政府介入の実施を拒否した。フーバー大統領は19世紀的な世界観を墨守していた。政府が社会に介入する役割より、市場の自然な動きを尊重すべきという旧来の価値観だ。20世紀前半、世界大恐慌とニューディール政策の時代を経て、こうした価値観は辺境に追いやられた。それから何十年も、政府の行動が経済的な健全性を左右するという考え方が、米国や欧州連合(EU)、旧ソ連や現在の中国など、ほぼ世界中の政策責任者の共通認識になっていた。

 だが、状況は変わってきている。現在、国家が自国経済を統制・管理する能力は大きな制約を受けるようになっている。国家の経済運営における重要な領域の一つが金利だ。2005年、米連邦準備理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン議長(当時)は金融政策の効果が出ないことに困惑を表明した。FRBはグリーンスパン議長の時代に短期金利を引き上げた。この金融政策により、長期金利が上昇し、経済活動の低下やインフレ懸念の解消、高騰する米住宅価格の沈静化につながると期待していた。だが、長期金利はあまり変動せず、4%水準にとどまった。グリーンスパン議長はこの想定外の現象を「不可解だ」と評した。

 実際の問題は、変化する世界を静的な経済モデルで捉えていたことだった。20世紀の大半の期間がそうだったように、米経済が単独で成り立つ経済構造だった頃は、FRBの判断に沿って資本コストや金利が変動していた。しかし現在は、国際市場の買い手と売り手の判断が金利を決定する。FRBが唯一直接コントロールできる短期金利は市場の一要素にすぎない。

 2008年の金融危機の後、この傾向はより鮮明になっている。FRBは短期金利をゼロ金利にまで引き下げたが、長期金利は4%の水準を保ち続けた。その後、金利は約3%まで低下した。金利低下の原因は、その水準が世界の市場参加者が選んだ資本調達価格だったからであり、一国の政府機関が定めたからではない。

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