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1ドル=50円説はアリでしょうか

“妹分”のアナリスト、シティバンク・尾河眞樹氏と対談

  • 豊島 逸夫

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2011年8月4日(木)

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 東日本震災後は、1ドル76円台になった。このまま円高基調は続くのか。そして、ドル、ユーロ、人民元は?

 市場関係者の中でも、特に親しく家族ぐるみで付き合っているのが、シティバンクのシニアFXアナリスト、尾河眞樹さん。モーニングサテライトのレギュラーコメンテーターを務める人気者だ。携帯メールでは絵文字入りのメッセージをやり取りすることもあるという、2人のリラックスした為替談義をお送りする。

豊島:1ドル50円まで円高が進むという人もいるけれど、どう思う?

尾河 眞樹(おがわ・まき)氏
シティバンク 個人金融部門 投資調査部
シニアFXマーケットアナリスト
米系銀行の為替ディーリングルーム、日本企業の財務部を経て現職。為替市場の調査・分析を行う。外貨投資に関心を持つ個人向けのセミナーを多数、経験してきた

尾河:それはないと思いますね。そもそも災害で経済的にダメージを被ったのに、なぜ円が買われたのか不思議に思った方もいたでしょう。あの時点の「円買い」はリスク回避の結果であって、積極的に円が評価されたものではありません。米国の財政問題、EUもギリシアなどの国債に対する不安がある中で日本が消極的な意味で買われた、ということだと思います。

豊島:私は1ドル50円説など、本を売るためのキャッチフレーズ程度にしか受け止めていない。現実味はないということだよね。

尾河:そうだと思いますよ。現実を見ると、為替の動きはかなり政治に左右される面が大きいんです。今回も76円25銭の段階で協調介入が入りましたよね。これには効果があったと思います。グラフにある通り、歴史を振り返ってみると、為替が極端に動くと政治的な介入があり、しばらくすると落ち着くということを繰り返しています。

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編集部:あまり極端なことは心配しなくて良いのでしょうか。

尾河:そうですね。関連する質問でよく出るのは「ドルが基軸通貨でなくなる日はいつですか?」というものです。確かに、ドルが基軸通貨でなくなる日が来る可能性はありますが、すぐに他の通貨が取って代わるわけではなく、あと10年、20年はかかるでしょうね。

 そもそも基軸通貨には3つの要素が必要です。

[1] 国際的な金融取引における決済通貨に使われていること。実際、原油や金は米ドルで取引されていますよね。
[2] 通貨の価値の基準となる基準通貨であること。「1ドル=82円」という具合に、ドルは常に左側に来る通貨で、取引単位です。
[3] 外貨準備に使われていること。今、全世界の外貨準備高の6~7割がドルです。

 こうした要素を総て満たす通貨は、今のところドルしかありません。一時「ユーロが第二の基軸通貨になる」と言われましたけれど、ギリシア危機によってユーロの構造的な弱さが露呈しました。今のユーロには基軸通貨になるほどの信認はありませんよね。

個人投資家の過度な悲観

 注目度が上がっている中国の人民元は、現時点では通貨そのものが国際的には流通していません。また、SDR(特別引出権)に着目する方もいますが、これはIMF(国際通貨基金)が1969年に創設した国際準備資産で、加盟国の準備資産を補完するもので、いわゆる基軸通貨の役割を果たしてはいないのです。こう考えていくと、やはりしばらくの間はドルが基軸通貨であると言ってよいと思います。

豊島:とにかく個人投資家向けのセミナーでも50円説におびえたようになって、「米ドルの終焉」とか大げさに聞いてくる参加者が多いねえ。

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