• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

人民元の弾力化でマネーはどこへ?

中国の今、人民元の将来[1]

  • 豊島 逸夫

バックナンバー

2011年8月8日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 金や米国債を保有する巨大な存在が中国。その動き次第で世界のマーケットは大きく動く。先進国通貨に代わる主要通貨として期待される人民元は、今後どうなるのか。現地の銀行の内部事情を知る立場から、生の声を拾いながら、数歩先を読む。

 中国人民銀行が人民元弾力化を発表した直後の2010年6月21日。筆者は中国最大、資産規模では世界一ともなった中国工商銀行、上海分行(支店)貴金属部にいた。

 世界中のマーケットが月曜朝、人民元相場の寄りつきを見守る瞬間に立ち会っていたわけで、筆者もいささか興奮気味であったが、銀行内は拍子抜けするほど冷静で、いつもと変わりない雰囲気だった。外では、すわ人民元切り上げとやかましいが、大胆な為替政策の変更など党が本気で許容するはずもない。G20に向けた外交的ジェスチャーと割り切っているのだ。

 上海の経済人は皆、北京の奥の院(党本部)を見ている。例によって企業トップの名刺には社長の肩書に並んで、党委書記のタイトルが誇らしげに印刷されている。中国では、党への貢献度が評価されて民営化企業の幹部に天下るのがエリートコースでもある。その党が最も嫌うことは、人心の不安定化、そして暴動である。ゆえに、その引き金となる失業を増加させる経済政策など選択肢にはないのだ。そこでは経済の発想というより政治の発想が優先する。

 その日の夕食の席。話題が人民元に及ぶと、ある銀行関係者曰く。「日本はプラザ合意で米国に屈し、極度の円高を許容した結果、失われた10年を余議なくされた。我々は同じ轍を踏むことはしない」

膨張する外貨準備、若手の超エリート官僚が運用

 さらに中国型経済に自信を深めていることも窺える。米国、英国型の自由主義経済モデルがリーマン・ショックとギリシャ危機で相次ぎ挫折し、政府介入が強まる様に「それ見たことか」といわんばかりの鼻息である。

 そして2週間後。日経新聞一面トップに「中国 日本国債の購入拡大、欧州危機で資金分散化 国家外貨管理局」の見出しが躍った。筆者は今度は北京にいた。

 筆者が頻繁に中国出張するようになったのは、2002年に金自由化第一弾として上海黄金交易所が創立され、そこの顧問に招聘されてからだ。現在は2009年9月に貴金属部を創設した中国工商銀行のアドバイザーを務めている。ゴールドマーケットという特別ルートを通じて、単なる客分では入れない本陣に出入りするようになった。

 膨張する外貨準備を、米国債だけでなく日本国債に分散運用している国家外貨管理局の担当者たちにも会ってきた。彼らは官僚というイメージからはほど遠い。年の頃は30代半ばであろうか。アルマーニのスーツをビシッと決め込み、さながらウォール街のアジア系投資銀行マンのいで立ちである。聞けば出身校はオックスフォード、ハーバードなどなど。この2兆 4000億ドルに達する世界一の外貨準備を運用する部門は、エリート中のエリート集団なのだ。専攻もMPT(近代ポートフォリオ理論)などが多い。

 実は彼らは、つい最近まで勤慎中の身であった。2007年、膨張する外貨準備の運用を米国債一辺倒からMPTに基づく分散投資へと転換し、最初に政府系ファンド経由で米国投資ファンドのブラックストーンに30億ドル投資した。ところが翌2008年に同株の時価総額は購入時価格の50%にまで目減り。その損失を取り戻そうと、次はモルガンスタンレーに50億ドルを入れてさらに目減りを拡大させてしまった。

コメント1件コメント/レビュー

ドイツ政府は昔から金を購入してきた。日本のそうすべきであったが、ドル債権買い一本で進んできた。でなければ輸出障害で日本は大打撃を受けていたはずである。韓国と違い、欧米軍への軍事的な貢献はゼロなのだから。しかし、金を多く持つ米・独・中・仏各政府にしたところで大した金額ではない。金が10倍以上にでも値上がりしないと焼け石に水程度である。 中国が日本国債を買うという動きは要注意。間違っても、海外債務者に先に返済するようというような政治判断を行ってはならない。国家財産の海外売却になるからだ。特に土地の権利移転は防がなければならない。 日本国債の返済処置は、すべての保有者に対して同一の処置を行うこと。(2011/08/08)

「金と世界経済」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ドイツ政府は昔から金を購入してきた。日本のそうすべきであったが、ドル債権買い一本で進んできた。でなければ輸出障害で日本は大打撃を受けていたはずである。韓国と違い、欧米軍への軍事的な貢献はゼロなのだから。しかし、金を多く持つ米・独・中・仏各政府にしたところで大した金額ではない。金が10倍以上にでも値上がりしないと焼け石に水程度である。 中国が日本国債を買うという動きは要注意。間違っても、海外債務者に先に返済するようというような政治判断を行ってはならない。国家財産の海外売却になるからだ。特に土地の権利移転は防がなければならない。 日本国債の返済処置は、すべての保有者に対して同一の処置を行うこと。(2011/08/08)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長