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慎重に「舵取り」される人民元の行方

中国の今、人民元の将来[2]

  • 豊島 逸夫

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2011年8月11日(木)

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 北京のスタッフからこんな話を聞いた。「銀行がなんとかかんとか言いながらもおカネを貸すので、大都市のお金持ちは投資用として2軒目、3軒目の住宅を購入している。本来、2軒目の購入は条件が厳しくなるはずだが、実態は抜け穴だらけ。銀行融資も党のコネで決まるしね。銀行融資の多くを株式投資に回している企業も多いよ」。

(イラスト:香川かづあき)

 たしかに中国国内の新規融資は前年比倍増の10兆元の大台を突破。2010年にも7兆~8兆元の増加が見込まれる。住宅価格も直近の9月から10月にかけ1カ月で年率9%の急上昇。

 不動産から新型インフルエンザに効くと囃されるニンニク転がし投機に至るまで、中国に行くたびに随所でバブルの匂いを感じる。そのバブル的現象の大元となっている、膨張する過剰流動性の根源が、人民元の実質ドルペッグ(連動)だ。

 人民元の対ドル相場は実質自由化されたはずなのだが、2009年8月からはほぼ6.83前後に張り付いたままである。この水準で人民元を維持するため、当局は外為市場に次から次へと出てくる人民元買い(ドル売り)注文に対して、片っ端から人民元売り(ドル買い)で応じている。

 かくして、中国の輸出企業が稼いだドルが持ち込まれるごとにそれが人民元に換えられ、中国国内に放出され、過剰流動性としてマグマのように蓄積してゆく。そして買い取ったドルも積もりに積もり、遂には2兆2000億ドルという断トツ世界一の外貨準備を抱えることになった。これはこれで、ドル以外の運用先(ユーロや金など)を模索する巨大な公的投資マネーと化した。

民間商業銀行で金の取り扱い業務が解禁に

 仮に当局が人民元高を容認する姿勢に転じたとしても、段階的に切り上げてゆく(クローリングペッグという)方式を採ると、切り上げる度に市場では先高観が更に強まり、人民元の投機買いが加速するという悪循環に陥る。やるなら一気にマーケットが買い上げるに任せねばならない。しかし、そうなれば中国の輸出に深刻な打撃を与える。これは、まず政治的に容認できまい。

 つまり、どちらに転んでも海外から投機マネーが国内に流入しやすい構造になっているのである。あとは資本規制によって力で封じ込めるしかない。しかしあまり規制を強めると、人民元が国際決済通貨となりえず、中国自身が提唱するドルの代替通貨=SDRという通貨バスケットに自国通貨を入れ込むことが出来なくなるというジレンマもある。中国人民銀行としても、頭の痛いところであろう。結局、最後は党の政治的判断で「景気浮揚=民心安定のためには、一時の資産バブルもやむなし」という結論になるのではないかと感じている。

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