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米国、中国、インドの“三角関係”を読む

中国の今、人民元の将来[5]

  • 豊島 逸夫

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2011年8月25日(木)

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 2010年8月16日、中国がGDPベースで日本を抜いて世界第2位になった日、筆者は北京にいた。現地金融関係者との夕食の席でも、早速この話題で議論が交わされた。

 さぞかし中国側の鼻息も荒かろうと臨んだのだが、意外に冷めている。マラソンにたとえれば、失速して先頭グループから脱落してゆく日本より、後ろの集団から抜け出してじりじり先頭集団に追いついてくる勢いのインドの方が気になるという意見が多かった。

 そこで話題は中印関係に飛ぶ。

 筆者の見るところ、今やGDP世界第1位と第2位の米中関係は“仮面夫婦”。そこにひそかにやきもちを焼くのがインド、という三角関係のようだ。中国も時折、米印が仲良く振舞うのを見せつけられると内心穏やかではない。しかしそこに日本が近づいても嫉妬心は起こらない。それよりインドの長年の友人で話相手としてぴったり寄り添っているロシアの動向に目がゆく。

 その夕食の席で、何となく疎外感を感じつつ大国間の“恋のさやあて”について考えた。

中国へのあてつけでインドに親しげに近づく米国

 まず米中関係だが、そもそも中国が対米輸出でため込んだ巨額の資金を受け入れられる規模を持つ市場は米国債以外には考えられない。そこで大量の米国債を購入して、結果的に米国のため込んだツケを当面引き受けている、という持ちつ持たれつの関係だ。

 こうなると米中は一蓮托生。イデオロギーは異なっても、中国にとって米国経済の悪化は決して望むところではない。ドルの信認が低下し、外為市場でドルが減価することで一番の不利益をこうむるのは他ならぬ中国自身である。この2カ国は“仮面夫婦”の関係を続けるほかない。

(イラスト:香川かづあき)

 しかし米国から見れば、中国に妻の座にどっかり居座られても困る。そこで中国の隣人、インドにわざと親しげに近づき、中国にあてつける。米印核協力合意がその最たる例であろう。米国はインドを核保有国として認知し、米国からの核技術、核物質の移転を解禁した。

 インドから見ればこのあてつけ役は願ったり叶ったり。かねてから中国のインド封じ込め作戦を脅威に感じていたからだ。確かに中国はインド包囲網を着々と築いてきた。米国国務省の軍事レポートでも、中国軍のインド洋への進出計画進行が指摘されている。

 更にインド近隣諸国への中国の直接投資も相次ぐ。パキスタン、バングラデッシュの港湾建設、ネパールの道路工事、ミャンマーの天然ガス、原油パイプライン敷設などなど。さらにインドの国民感情を刺激したのがパキスタンの原子力発電施設建設援助であった。それに中国はパキスタンへの最大の武器輸出国でもある。

 インド首相も心得たもので、あてつけ役をそつなく演じている。2009年11月にオバマ米大統領が北京を訪問し、胡錦濤首席と会談した時のこと。米国にとって最大の債権国中国に対して、オバマ大統領は米国内でやり過ぎと批判されるほどの敬意を表した。

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