Rodney Jefferson(Bloomberg News記者)
米国時間2011年7月28日更新「 Scotland's Next Wave: Marine Power 」
英スコットランド北方のオークニー諸島にある欧州海洋エネルギーセンター(EMEC)のニール・カーモード所長は、19世紀のビクトリア様式の学校校舎を改装したオフィスで働いている。このオフィスの窓の外に広がる眺望は、数世紀前に建造された石造りの建物や、英高級車「ランドローバー」よりも馬車で通る方がふさわしい狭い道路など、古い街並みばかりだ。しかし、カーモード所長の目には、古い街並みだけでなく、未来の姿も見えているという。
緑の丘陵が多いオークニー諸島は、北海と大西洋の潮流がぶつかる場所にあり、波力・潮力発電技術の一大実験場になっている。スコットランド自治政府は、2020年までに再生可能エネルギーで域内の全電力をまかなうことを目標に掲げている。海洋エネルギー技術はこの目標を達成するうえで、重要な役割を果たすと期待されている。
カーモード所長は、スコットランド本島からフェリーで1時間半の距離にあるストロムネス港で、人々が忙しく働く様子をながめながら、こう語る。「海洋エネルギーを電力に変えるという、ちょっとした“魔術”が使えるようになった。これから我々が取り組むべきは、これを産業化し、信頼できる技術に発展させることだ」。
2003年に政府が出資して設立したEMECの取り組み――スコットランドの豊かな波力・潮力資源を活用する−−を欧州中の企業が支援している。海洋エネルギー発電を商用化するには少なくともあと4年はかかるが、スコットランド自治政府は2020年には業界が海洋エネルギー発電で1600メガワットの電力を供給できるようになると期待している。この発電量は、スコットランドにある2つの石炭火力発電所が現在発電している量の約46%に相当する。
電力会社が続々と参入
英ペラミス・ウエーブ・パワー(本社:エジンバラ)はストロムネス港から車で10分ほどの地域に波力発電施設を建設している。赤と黄色のヘビのような姿をした、全長600フィート(約180メートル)の発電施設は、水面上を浮き沈みして、波の力で電力を生み出す。
このすぐ近くでは、フィンランドのウェロが波力発電施設ペンギンを建設している。ペンギンは1辺30メートルのペンギン型の三角の発電施設で、近いうちに1メガワットの発電を開始する計画だ。
英アクアマリン・パワー(本社:エジンバラ)も同じ地域に海洋エネルギー発電施設オイスターを建造している。オイスターは水面下にちょうつがいで接続された板状の設備で、沿岸のタービンに水流を送り込む。
英ロンドンとシンガポールを拠点とするアトランティス・リソーシズとアイルランドのオープンハイドロの両社は、オークニー諸島の北東部の沿岸から40キロメートルほど離れた場所に、潮力で稼働するタービン発電施設を所有している。
北海地域には60億ポンドの投資を集められる
スコットランド自治政府のアレックス・サモンド首相は、再生可能エネルギーの利用について欧州で最も野心的な目標を掲げている。サモンド首相は「風力発電と波力発電で21世紀の技術を開拓し、13万人の雇用を創出する」と公約した。
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