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バブルの背景「快楽主義」は悪いことか

異性へモノへ、走る走る。最後は家族、友人と支え合う

  • 御手洗 瑞子

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2011年8月18日(木)

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 ブータンの人は変わってしまったのか。

 前回、ブータンで見られるバブル経済的な消費行動について書きました。

 月収2~3万円でもiPhoneや車をぱっと買ってしまう友人たち。収入をもとに「身の丈」を考えるというよりは、欲しいものは欲しいと、我慢せずに買ってしまう。そして、銀行ローンを使いやすくなったことで、その傾向に拍車がかかっている――。そんな話でした。

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 では、ブータンの人たちは、変わってしまったのでしょうか。お金ではなく人の幸せ、GDP(国内総生産)ではなくGNH(国民総幸福量)を一番に考えることを国のビジョンとする「幸せの国」ブータンの人々が、「つつましく、『足るを知る』暮らしをする」のではなく、思いっきり消費行動に走っている。何かが、ブータンの人たちを変えてしまったのでしょうか。

 でも、ブータンで一緒に働く仲間たち、上司や先輩、それに町のおじいちゃん、おばあちゃんなどに、彼らが子どもの頃、若かりし頃の話などを聞いていると、どうも、ブータンの人たちが変わってしまったから今のような消費行動に走っている、とは言い切れない気がしてきます。

 彼らの今のバブルのような消費行動の背景には、ブータンの人たちが実践する哲学、のようなものがあるように感じあるからです。

結婚だって、とてもお手軽!?

 今のブータンの人たちをバブル的消費行動に駆り立てている要因の1つには、「楽しいことが大好き」で、「人生いつ終わるか分からないんだ。やりたいことは我慢せずにやらなくちゃ!」という、快楽主義的な生き方や哲学があるように思います。

 そう、ブータンの人たちは、快楽主義です。

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 特にそれが顕著なのは、ブータンの人々の男女関係のような気がします。

 以前、『ブータン家庭はかかあ天下、そこで夫は…』の記事でも触れた通り、ブータンでは結婚がとても気軽に行われています。

 付き合い始めて数週間、数カ月で結婚に至ることも決して珍しくありません。ある日、私の友人(女性)がフェイスブックに「久しぶりに好きな人ができちゃった! あぁ、うまくいきますように!」と書いており、その2週間後にはステータスが「既婚」になっていました。そんなことが、よくあります。

 今では少なくなりましたが、古くからの習慣では、男性が女性の家に「夜這い」に行き、受け入れられて朝まで居られれば、そのまま「結婚=婿入り」となったそうです。今では都市部を中心に夜這いの文化はなくなりつつありますが、それでも、付き合い始めてしばらくすると子どもができて、そのまま結婚…、という流れは今でも多い気がします。

既婚者も平気な顔でナンパ

 そしてさらに、ブータンの人は結婚していてもよく遊びます。

 ブータンに来たばかりの頃、同僚の女の子たちに、再三注意を受けました。

 「ブータンの男は、結婚していてもそれを隠して平気でナンパするから、本当に気をつけた方がいいよ。私たちも、誘われたらまず友人のネットワークを使って結婚しているか確認するけど、まぁ本人が独身だと言っていても、8割方、結婚しているね」

 な、なんと。それはなかなか高い気がします。でも、女性たちがそれほど気を付けるぐらい、ブータンの男性は結婚していても何食わぬ顔でよく遊びます。

 ある友人はこんな経験をしました。「彼女と別れちゃった」と涙目で言っていた自称独身の30代になったばかりの男性と付き合い始めたのですが、実は彼は1度離婚し、再婚もしていました。奥さんと自分の連れ子、そして、奥さんとの間に生まれた子どもを合わせて6人を養っている身であったのです。

 しばらくブータンで暮らすうち、こんな話を聞かされても、さほど驚かなくなりました。

コメント25件コメント/レビュー

今ネットを通じた「物々交換」(コラボ消費と呼ばれている)が流行っているようですが、ブータンに合いそうですね。(2011/08/30)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今ネットを通じた「物々交換」(コラボ消費と呼ばれている)が流行っているようですが、ブータンに合いそうですね。(2011/08/30)

写真の青空のようにこの文章も澄み切っていますね。▼「足るを知る」とは、言い換えれば”身の丈にあった生活をする”ことだと思うのですが、その”身の丈”をどこに設定するのか、その基準を社会が見失いつつあるのかもしれませんね。それとも「快楽主義」「刹那主義」ということであれば、最初からそのようなものがなかったのかも。最初のほうのコラムで話の出たインドからの補助で成り立っている経済などと共通の問題のように感じられます。▼文章を読んでいるときは微笑ましくも感じたのですが、このコメントを書いているうちに結構やばいかもと心配になってきました。あっ、また貧乏性が出てしまったw。(2011/08/23)

御手洗さん、羊羹の話し面白すぎです。でも事実です。したいときにしたいことをするのが一番楽しく満足できます▼それも限度がありバランスが大事なのですが、一方的にしたいときにしたいことをなんでもするというのは反対です▼が、ブータンの人の幸せはそこにあるんでしょうね。我慢せずしたいときにしたいことをする・・・それが人間らしいんでしょうね▼私ももっと慎ましやかに生活してるとばっかり思ってました。思い込みは怖いですね、と、外から見るのと中で見るのとはやっぱり違うモンですね~来週も楽しみにしてます(2011/08/22)

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