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中国に民主は訪れるのか

「今の活動はリーダー不在、これをどう見るかが難しい」

2011年8月31日(水)

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 8月24日付けの人民日報掲載の論評を読んだか、と知人に聞かれた。「民主を実施するしか、社会発展は誤った道を避けることができない」という大胆なタイトル。読んでいなかったので、あわてて読んでみると、なかなか興味深い。

 「民主とは政府の満足と社会の満足のバランスをとる重要メカニズムである」とかなり踏み込んだことまで言っている。

 人民日報というのは中国共産党中央機関紙であり、そこに載る論評記事は中国共産党の国民に対する姿勢の表明である。今、党中央では“社会の満足”を政治に反映させる民主メカニズムが必要だと真剣に考えています、ということだ。もちろん、昨今のデモや抗議運動の多発などを受け、大衆をなだめすかしているにすぎないのかもしれない。

 ただ、ちょうど今年が辛亥革命100周年。年初から北アフリカ、中東で「革命」が起き、ついにリビアのカダフィ政権まで倒れてしまった。中国社会も何やらざわざわしている。中国は民主主義についでどの程度のことを考えているのだろうか。

中国共産党のおびえが伝わってくる文章

 この論説の中身を簡単に紹介すると…、

[1]政治の判断の基準とは、階級社会の統治者としては、統治階級(中国共産党)の希望に合致していることが唯一の重要な基準だが、現代政治においては、統治階級の希望が最も広大な人民の根本利益のためだと言い換えられなければならない。

[2]政府は社会秩序維持と公共の需要を満足させることで、“社会満足”を実現できる。しかし、政府も独立した機関であり、その政府利益を考慮せねばならない。このような状況で常に出現するのが、政府の満足と社会の満足の不一致であり、政府と社会の間の矛盾を引き起こしている。

[3]この矛盾を緩和し、社会の健全な発展を推進するために、民主は政府満足と社会満足の権力バランスをとる重要メカニズムとなり、政治の過ちを是正する。民主条件のもとでの政策決定が必ずしも正しいとは言えないし、集権条件のもとでの政策決定が必ず誤りであるとも言えない。だが民主メカニズムは一定のプロセスに従って、錯誤を修正でき、民主がなければ集権条件のもとでの正しい決定が行われても、結果的に過ちを引き起こすこともある。

[4]民主は社会のパワーを政治に生かし、政治権力の社会的独占を打破し、政治権力の個人生活に対する不当な関与を防止する。同時に政府の過失、モラル喪失を素早く是正する重要なツールとなる。民主が公民に政府の言動を理解させるし、公共事務に参与させるし、政府の行動が人民の根本利益に合致することを担保するのだ。

[5]我が国の村民自治の例をあげれば、村民委員会選挙において、民主の是正機能は十分はっきりしている。昔は善人政治、強人政治のいずれかだったが、今は能人政治つまり、村民のために真面目に奉仕する人間が村民の支持を得る。政府を創建するのは群衆への奉仕のためだ。群衆を政治に組み入れて初めて、社会満足が実現できるだろう。民主を実施できて初めて、社会発展が道を過たず、広大な人民の根本利益を実現し、社会の安定と発展が共に可能なのだ。

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「中国に民主は訪れるのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師