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「ポスト・ジョブズ」のシリコンバレー新秩序

モバイルOS戦国時代の終焉と新覇権の行方

2011年9月5日(月)

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 大げさなタイトルと思われるかもしれないが、シリコンバレーでスティーブ・ジョブズといえば、その魂を体現した「教祖様」のような存在。西暦がキリスト生誕の前と後で分かれているように、シリコンバレーの時代の節目は、ジョブズ抜きで語れないのだ。

 まずジョブズは、1980年代にアップルを創業してパソコン時代を切り開いた。90年代のネットバブル期は彼の不遇の時代に当たるが、2001年に発売したデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」と音楽配信サービス「iTunes」ではデジタルコンテンツ販売の仕組みに革命をもたらした。

 そして2007年に発売したスマートフォン(高機能携帯電話)の「iPhone」でシリコンバレーは「モバイル時代」へと本格的に移行。2008年に登場したグーグルのスマートフォン用OS「Android」とともにスマートフォンブームを巻き起こし、欧州の「ノキア王朝」を倒して、世界のモバイル文明の中心地はシリコンバレーへと移った。

 2006年頃からのフェースブックを頂点とする「ソーシャル」ムーブメントも、ちょうど同時期、スマートフォンの普及によって、テキストの書き込みや写真のアップロードが簡単にできるようになったことが大きな原動力となった。

 このようにシリコンバレーで次々と新時代を切り開いてきたジョブズが8月24日、アップルのトップの座から去った。予測されていたことなので、シリコンバレー人の多くに感慨はあっても衝撃はない。しかし、時代はまた巡る。「ジョブズ後」のシリコンバレーはどんな時代を迎えるのだろうか。

8月の“大事件”とモバイルOS戦国時代

 この8月後半は、シリコンバレーに関わる大事件が相次ぎ、驚いている暇もないくらいだった。

8月16日

 グーグルがモトローラ・モビリティーを買収。モトローラの持つ、大量の携帯電話関連の特許が目的との観測がもっぱらだ。ここしばらく、アップルがAndroid端末を製造するサムスンやHTCに対して特許侵害の訴訟を起こしたり、倒産したノーテルの持っていた特許の入札合戦でアップル・マイクロソフト連合がグーグルを破るなど、Androidに対する特許面からの攻撃が激しさを増していたので、これに対抗する手段であったと見られている。

8月18日

 ヒューレット・パッカード(HP)がパソコン事業とWebOS端末事業からの撤退を発表。WebOSは、1年ほど前にパームを買収して手に入れたばかりだが、2011年6月に発売したWebOSベースのタブレット(多機能携帯端末)の「TouchPad」は、販売不振で大量に返品が発生していた。

 パームはスマートフォンの老舗であり、地元シリコンバレーでは負け続けてもサポートし続ける根強いファンが多かった(私は勝手に「シリコンバレーの阪神タイガース」と呼んでいた)。その系譜はこれで断絶することになった。WebOSは業界内での評価は比較的高いが、その行く末はまだ未確定である。

8月24日

 スティーブ・ジョブズがアップルのCEO(最高経営責任者)退任を発表。

8月25日

 RIMのBlackberryが、自社OSの次期バージョンQNXでAndroidに対応するとの報道。Blackberryは、かつては米国スマートフォン業界の圧倒的王者だったが、今はその座から滑り落ちている(ただし、憶測記事のみで執筆時現在では正式な発表はない)。

 8月に矢継ぎ早に表面化したこれらの事件に加えて、今年の初めにはノキアが自社陣営のOSであったシンビアンを捨て、マイクロソフトのWindows Phone7をOSとして採用すると発表。その後もマイクロソフトがノキアを買収するのでは、との憶測が時々浮上している。

 これら一連の事件に共通のキーワードは、「OS」である。もっと正確に言えば、スマートフォンやタブレットを動かすためのモバイル端末用OSだ。

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「「ポスト・ジョブズ」のシリコンバレー新秩序」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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