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「ゆで蛙」香港はどこまで大陸化したか

李克強氏来港巡る「過剰警備問題」が大論争に

2011年9月8日(木)

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 去る8月16日から18日にかけて、中国の李克強・筆頭副総理が香港を訪問した際、香港特別行政区政府は最高級の歓迎体制を敷いた。2013年3月に開催予定の全人代(全国人民代表大会)で、李氏が任期満了を迎える温家宝総理の後継者として最有力視されているため、次期国家指導者に敬意を払う意味で、香港政府は当然あるいは慣例どおりの対応をしたにすぎなかった。

 ところが、李氏の香港訪問が成功裏に終わったにもかかわらず、今回の政府対応に対する非難の嵐は止まず、世論を分断させるほどの大論争に至っている。

「六四・Tシャツ」警察に連行

 発端は香港大学だった。複数の世界大学ランキングで、東京大学や北京大学などを抑えてアジアトップの座を守り続けている同大学は、8月18日、訪問中の李克強・副総理を迎えて、創立100周年の記念セレモニーを行った。

 その際、新聞報道によると、天安門事件の再評価を求める抗議デモを抑えるため、香港の警察当局はキャンパス内に立ち入り禁止の「保安区」を設置。大声で抗議する李成康という大学生を一時的に建物の中に拘束し、双方が揉み合う過程で、大学生が警察に押し倒されるハプニングが起きた。

 さらに、李氏が一般市民との交流を目的に訪問する予定の団地の中にも「保安区」が設けられ、天安門事件を意味する「六・四」の文字が入ったTシャツを着ていた市民が警察に連行されたという。

 筆者は香港で約6年間生活したことがある。オフィスが政庁所在地に近かったこともあって、要人訪問に伴う厳重な警備体制やデモ行進に遭遇したことがある。「長毛」という愛称で知られている梁国雄氏の過激な抗議パフォーマンスや、それを必死に止めようとする警官隊との攻防は、すでにマスコミなどを賑わす一大イベントとなっている。

 それなのに、なぜ、今回の抗議デモを巡って、あらためて香港社会を巻き込む大騒ぎとなっているのだろうか。

警備過剰説「完全にごみだ」

 香港訪問中の李克強副総理について警備体制が過剰ではないかとのマスコミや市民からの批判には、実は導火線があった。8月19日、香港政府の政務次官である唐英年氏が、警察の対応を擁護して、こうした批判を「完全にごみだ」(Completely Rubbish)と一刀両断にしたのだ。唐氏は次期行政長官の最有力候補として期待されている人物だけに、この「ごみ発言」は衝撃を呼んだ。

 また、全国人民代表大会香港代表を務める女性は、中国の地方を訪れるとき、地方政府が「いいところ」を見せてくれるのは常識だとして、香港人も李克強・副総理に香港の「いいところ」を見せるべきだとの持論を展開、デモ行為を批判した。

 政府関係者が警察という身内の対応を擁護するのは当たり前だが、香港人にとって、このような高飛車な態度と発言は本当に衝撃だった。なぜならば、これは香港人が最も恐れている「大陸化」だからである。

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肖 敏捷

肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。2010年の日経ヴェリタス人気エコノミスト・ランキング5位。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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