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中国ビジネスの現場で欠かせない「酒」について

著者痛恨の「失敗」から学ぶ「酒席攻略法」

2011年10月6日(木)

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 前回のコラムでは、中国ビジネスにおける「通訳」の役割について、筆者の「初体験」を交えながら論を重ねさせていただいた。
 記事を配信し終えてから、あの「初体験」から、過去に携わったことのある「交渉の現場」に思いを巡らせていた。
 中国での「交渉の現場」に必要なのは「通訳」だけではもちろんない。では、何がほかに必要か?
 企業戦略? 資金力? 政治面でのリスク分散?
 もちろんこうした点を交渉前にきっちり煮詰め、万全の態勢をもって、交渉に挑むのが成功への第一歩であることは論を待たない。
 ただし、このコラムでは、あえて前回の「通訳の現場」話に引き続き、「交渉をいかにして現場レベルで動かしていくか」というミクロの話に絞って、中国ビジネスに挑むうえでの対応策を、筆者自身のケーススタディで考えていきたい。コラムで挙げたケースをもとに、議論していただければ幸いである。
 これから3週間にわたって、中国ビジネスの交渉の現場に不可欠な、3つのファクターについて、順を追って解説していきたい。その3つとは、(1)交渉のための酒、(2)交渉に挑むための陣営(人員)、(3)交渉のための語学、である。

中国で「酒」に思い出のない日本人はいない

 今回は中国ビジネスでは必須である「交渉のための酒」の話から始めよう。
 中国へ留学したり、出張したり、長期滞在されたことのある方は、「お酒と中国」と聞いたとき、それぞれの「思い出」にふけるのではないだろうか。楽しい思い出、苦い思い出、色々あるとお察しする。そしておそらく全員に共通するのは、「中国では、酒は必ずそこにある」ということだろう。とりわけ、ビジネスの現場では。
 筆者にとって、今でも脳裏に焼きついている「中国での酒に関する“きつい”思い出」は、前回コラムで紹介した、20歳になったばかりで経験した初めての通訳業務以外に、2つある。

 今から4年前、23歳のときの話だ。筆者は北京大学で国際関係学を学ぶ傍ら、テレビやラジオにコメンテーターとしてしばしば出演するようになっていた。北京のシンポジウムや地方のイベントなどに出かけると、各界の関係者から「加藤さん、時間があれば話さないか」とお声掛けいただくようになっていた。
 その日、筆者は大連にいた。秋という悪くない季節だが、渤海から海風が吹いてきて、ずいぶん肌寒かったのを覚えている。
 午前中は「大連の産業をいかに発展させるか」をテーマにした政府系セミナーに参加した。通訳としてではなく、スピーカーとして、である。ご存じのとおり、大連は日本と関係の深い都市だ。日本企業もたくさん進出している。観光、IT産業、日本とのつながり、住みやすさなど、筆者なりに大連に対する初歩的感想を述べた。

大連で、軍人さんにナンパされて

 昼食の時間になった。食堂に足を運び、一人で席を探していると、体格の良い角刈りの大男が隣にやってきた。
(この人、軍人だな)
 軍服姿ではなかったが、匂いですぐに察知した。
「加藤さん、君がテレビで発言しているのはたまに見かけるよ。日本人として日中関係や中国の国情に言及するには勇気が要るだろう。一度会ってみたいと思っていたんだ。今回は思いがけなく同席できてうれしく思うよ」
 筆者も笑顔で答えた。
「日ごろから命がけで国防に当たっておられる方にお目にかかれて光栄です」
「なぜ、私が軍人だとわかったんだ」
 大男は苦笑いし、自己紹介をしたあとで(Tさんとここでは呼ぼう)、単刀直入に相談を持ちかけてきた。
「そうだ、加藤さん、これから何か予定があるのかい? もしないんだったら、自分が勤務している瀋陽まで来ないか? 同僚たちに紹介したい。みんなで飲まないか?」

 その日の午後は特に予定は入っていなかった。拠点としている北京に帰る電車の切符もまだ購入していなかった。今晩、どこへ泊まろうかな、とあとからホテルでも探そうかと思っていた。面白そうじゃないか。酒にもありつけるし、と、一石二鳥に思えた筆者は、
「分かりました。光栄です」と快諾した。

 昼食後、運転手付きのTさんの軍用車に乗り込み、数時間かけて瀋陽を目指した。社内では多少の日常会話はあったが、二人とも午前中の無味乾燥なフォーラムで気疲れしていたのか、速攻で眠りに落ちた。
 目が覚めると、車外はすでに暗かった。
 19時。瀋陽の軍関係のホテルでの宴会にそのまま招かれた。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国ビジネスの現場で欠かせない「酒」について」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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