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中国に進出した日本企業2万社超に対し、インドへは1000社に満たず

難しい、合わないだけで諦める前に

2011年10月11日(火)

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 日本ではこの数年随分と注目を集めるようになったインド市場。しかしながら、日本の人たち、ビジネスパーソンですら、インドの印象というのは極めて限定的なのではないだろうか。使われている言語は数多く、神様が山のようにいて、牛が街の中をうろうろ歩いていて、カレーを毎食食べている、残念ながらそれくらいのイメージしかないのも事実ではないだろうか。

 インドでは確かに毎食のように日本で言うカレー(若しくはカレー風味)が食卓をにぎわす。一方で、日本でも国民食と言ってもいいほどカレーは人気がある。だが、それは、ジャパニーズスタイルカレーである。ルータイプ、レトルトカレー、インスタントのうどんから果てはアイスクリームに至るまで、幅広い人気を集めている。

 このように日本の国民食トップ3にも入ると言って過言でないカレーではあるものの、インドに日本のカレー文化を持ち込もうと言う発想はあまり聞かない。カレーの本場インドに殴り込みをかけるなんてとんでもない、という諦めの気持ちが強いのだろうか。

 本当に日本のカレーはインドでは進出の芽がないのだろうか? 既に現地では、地元資本などによるレトルトカレーは販売されている。かつて、インドでは毎日新鮮な材料で家庭の味を調理するという価値観が非常に強く、作り置きはしなかった。また、外で出来合いのものを買ってくるという価値観は敬遠されていた。

 そういった市場に、2004年にインド日用雑貨品大手のITCがKitchens Of Indiaというレトルトカレー商品を出した。手軽に食べられると言うニーズも勿論あったのだろうが、それ以上に最初は高級レストランの味を家庭でも味わえると言った特殊オケージョンへの働きかけといった側面が強かった。

 その後、インド経済が順調に成長する中、女性の社会進出や生活に忙しさが感じられるといった状況が広がり、徐々にではあるが手軽にというニーズも増えてきた。この流れの中で複数の企業が参入し、新しい商品カテゴリーが形成された。

インドではカレーがこのように売られている

 更にこういったレトルト食品の市場は手軽というニーズだけでなく、健康志向であったり、家庭で手軽に異国若しくは違うエリアの食事を楽しめたり、といった新しい視点での商品が一気に市場に流れ込んできている。南インド料理のスパイスミックスやブレッドミックスなどが北インドの家庭でも一般的に使われるようになってきたり、中華のスパイスミックスやヌードル等も登場したりしている。

 インドでは味が濃く、油をしっかり利かせた食事が一般的で、朝から揚げパン等を食することも一般的な食生活だが、そこに健康志向という切り口で殴り込みをかけたのはケロッグだった。インドに限らず日本でもそうだが、一日のメインの食事を一気に他のものに変えるのは心理的にもハードルは高いだろう。朝食やスナックといった利用シーン、健康や手軽に異文化を、といった切り口から展開していくことで新しい商品カテゴリーを形成し、成功を収めつつある企業は多い。

中国には2万社超が進出

 翻って日系企業。インド進出ブームと言われつつも、インドに進出している日系企業は極めて少ない。日本企業は中国に約2万社が進出していると言われるがインド市場に出てきている日系企業は残念ながら1000社にも満たないような状況だ。特にインドの場合、日本のお家芸でもある自動車、バイク、家電が進出の中心であり、FMCGと呼ばれる日用消費財カテゴリーでは両手で数え終わる程の企業しか進出はしていない。

 勿論、日本企業がインドに来ていない訳ではない。毎月のように名だたる企業の出張者が視察や調査といった目的でインドには訪れている。中期経営計画に「インド」の文字が載っているので何とかせねばならないとインドにやってきて、表層の街を見て「インフラは未整備だし、生活水準も思った以上ではないし、まだまだだね」と言って誤解したまま帰って行き、時期尚早と結論付けている企業も過去多数見てきた。

 昼間から街中をうろうろする裕福な消費者はいない。にもかかわらず、街をざっと眺めて我々が対象にできそうなターゲットが少ないと言っても仕方がない。インドのミドルクラス層は、定義にもよるが人口の約15~20%程度とも言われる。割合からしたら確かに少ないが、2億人近い数からすれば十分に魅力的だ。

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「本場インドで日本のカレーは売れるか?」のバックナンバー

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「中国に進出した日本企業2万社超に対し、インドへは1000社に満たず」の著者

繁田 奈歩

繁田 奈歩(しげた・なほ)

インフォブリッジグループ代表

大学時代にインドを放浪し旅行会社を設立。調査会社インフォプラント設立に加わり、中国子会社を立ち上げる。その後、インフォブリッジを設立して独立。中国とインドで調査・コンサルティング事業を展開

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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