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中国は包容力を持って接してくれる

【第6回】加藤嘉一氏(コラムニスト)

  • 川村 雄介

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2011年10月17日(月)

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加藤嘉一氏

 本日はぐっと若いゲストの登場である。加藤嘉一氏。中国で一番有名な日本人と言われている人物だ。若者たちの間では、とりわけ中国からの留学生からはある種、英雄視されている日本人である。

 なるほど、中国や香港のメディアには出ずっぱりであるし、日本のテレビでお目にかかることも少なくない。日経ビジネスオンラインでも健筆を振るっている。最近では日中の本音交流をテーマにした著書も出版されている。

極端に走りすぎる危うさもある

 日本と中国の関係には、昨日、今日、明日がある。

 この「今日」の主人公のひとりとして若年層を忘れてはならない。現在の社会経済文化を作り上げてきた人々は中高年以上の世代だが、これに活力を与え「明日」に橋渡ししていくのが若者である。

 日本では、しばしば若者の元気のなさが慨嘆され、少子高齢化の中で軟弱になっているのではないか、と心配する向きもある。中国でも一人っ子政策で誕生した80后、90后と呼ばれる世代は、小皇帝と称されるほど過保護で甘やかされているそうだ。

 他方、日中の多くの若者たちにとって「昨日」の出来事は過去の話と位置づけられているようだ。直接の体験がないだけに、合理的で冷静な交流を期待できる半面、一歩間違えると極端に走りすぎる危うさもあるかもしれない。

 そんな中、加藤氏のような日中完全バイリンガルの若人が、「何でも見よう、何でも聞こう、何でも言おう」の積極さで日中を走り回ってくれることは、大変頼もしく感じられる。

趣味は世界地図を見ることだった

 実は加藤氏は高校時代までは、中国とは無縁に近かった。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)流行の時、18歳で中国に行ったのが初めてだった。ただ、幼いころからできる限り早く世界に飛び出して、世界の中から日本を見てみたいと思っていたそうだ。最初の動機は日本の身の回りが、非常に単純で、息苦しかったからだという。

 「僕の趣味は世界地図を見ることでした。そこでアフリカ、アメリカ、ここの人たちはどうなんだろうな、ここの人たちはどういう組織をしていて、どういうふうに社会が成り立っているんだろうなっていうことを見ることによって、日本はどうなのかを知りたかった。僕の中に潜在意識として世界への目標みたいなものがなければ、中国が台頭してきたということも視野に入らなかったと思います。最終的に中国に国費留学生として、学部・大学院、全額免除で行かせていただきました」

薛軍・長崎大学経済学部准教授

 中国の大学を出た後、日本留学を経て日本企業に勤務した中国人学者の薛軍氏は、高卒直後の留学では、母国の文化や社会への理解は少々不足気味なのではないか、やはり海外留学は大学を卒業してから考えるべきなのではないか、と考えていた。

 薛氏が中国で初めてテレビで加藤さんの存在を知った時、こんなに若くて、高校卒業後すぐに日本から中国に来て、日本への理解は十分あるのかなあ、と感じたそうだ。しかし、加藤氏としばらく話をしているとそれは杞憂に過ぎないと思い始めたという。

 「僕は、高校を卒業するまで、日本のこともほとんど知らなかったし、読書もできていなかった。そんな状況のまま中国に行ったんですね。ですから、向こうに行ってからは、本当にむさぼるように本を読みましたね。本当に大体、年間300冊ぐらい読んでいました」

 「ただ、僕の日本への理解、中国への理解についての疑問は当然あると思うんです。だが、理解とか、解釈とか発信力っていう問題には、僕は年齢は関係ないと思うんですね。もちろん、経験を積んだがゆえに語れることってあると思うんですけれども、ただ、経験を積んだがゆえに語れないこともあるんですよ。やっぱり若い力、経験の力って両方必要だというふうに僕は思うんですよね」

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