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中国語で交渉すれば相手の本音を引き出せる

ニイハオは中国を尊重していることのサイン

2011年10月20日(木)

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 ここ数回、「中国ビジネスにおける交渉を現場でどう動かしていくか」というテーマで議論を進めてきた。9月29日のコラムでは、筆者自身の体験から「通訳の重要性と戦略性」を挙げた。前回コラムでは、交渉に挑む布陣に「明るい性格で、現場の動きにも柔軟に対応できる女性通訳」は不可欠と記した。

 プロの通訳に橋渡しを委託し、正確なコミュニケーションを図ろうという考え方は正しいと思う。日本人と中国人が、お互いに中途半端な中国語あるいは日本語で交渉し、意思疎通すらままならないという具合では商談は進まない。語学力が表現力に乏しい初歩のレベルにあるならば、通訳を介するのがベターな選択肢だ。

 とはいうものの、習得した中国語で対中交渉に挑む、即ち、相手の土俵で勝負するスタイルに勝るものはないと筆者は考える。相手の言葉で会話をするということは、相手の懐に入り込むことを意味する。相手のいちばん話しやすい母国語で話してもらうことで、はじめて本音を引き出せる。

 加えて、中国の人たちは「自分が相手から尊重されているか」を異常に気にする。メンツを重んじたり、プライドが高かったりするように見えるのはそのためだろう。私たち外国人が一生懸命に中国語を話すこと、もしくは話そうとする姿勢は「中国の文化を重んじてくれているんだな」という好印象を与える。個人レベルの信頼関係を築きやすくなる。

 日中間のビジネスや外交の現場では、突発的事件が頻繁に起きる。そのたびに通訳を介していては、スピードとガバナンス力が上がらない。カウンターパートに「あの人なら直接中国語で相談できる」と思ってもらえることの重要性を、筆者は自らの経験から実感してきた。

 繰り返し申し上げよう。
 自分の言いたい内容をそれなりに表現できる、相手の言っていることがそれなりに理解できるレベルに達したら、中国語で挑むべきだ。

完璧な中国語など必要ない

 「それなりに」
 中国と向き合う上で大切な要素である。これまで中国語や中国人とつき合った経験のある読者はどうお感じだろうか。

 発音や四声が標準的であるかどうか、語彙や文法が正確であるかどうかはあまり気にしなくていいというのが筆者の経験則である。そもそも「完璧な中国語」を追い求める必要は全くない。というか、不可能に近い。

 中国は広大で、人も多い。ゆえに、どの土地に赴いても方言がある。その多くは地元の人間以外聞き取れないものだ。現在に至っても、内陸部や田舎の出身で、標準語もままならないという人が少なくない。だからこそ国民は、「普通語」という標準語を義務教育課程で学ぶ。そうしなければ、中国人同士ですら意思疎通ができないのである。

 標準語が普通に話せる大部分の国民も、みな地元のなまりを残して話持ちつつ表現している。発音を少し聞けば、どこの出身者かはだいたい判断できる。標準中国語の発祥地と呼ばれる黒竜江省出身者の一部やアナウンサーの一部を除いて、完璧な標準語を話せる人はほとんどいないのが現状だ。そんな境地を外国人が求めること自体、そもそも非現実的なのである。筆者は個人的にこの点を、中国語コミュニケーションの醍醐味だと思っている。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国語で交渉すれば相手の本音を引き出せる」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長