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白いスープのラーメンが王者「辛ラーメン」のシェアに食い込む

「ココミョン」と「長崎ちゃんぽん」のどっちがおいしい?

2011年10月19日(水)

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 韓国ドラマや映画を見ていると、貧乏な青春を象徴する仕掛けとして、こんなものがよく登場する。冷蔵庫の中で数カ月は放置されていたような赤いキムチ。緑色の瓶に入った焼酎。そして、ぼこぼこになった古いヤンウン鍋(アルミでできた小さい鍋)に辛いインスタントラーメンだ。

 韓国人にとってラーメンとは、最も安上がりにお腹をいっぱいにできる食事だ。さらに、すぐ食べられる、体を温めてくれる、非常食でもある。辛いものを食べないと食事をした気にならない韓国人が多いので、海外出張には必ず持っていく。空港に行けば、辛いインスタントカップ麺を箱詰めにして手軽に持ち運べるようにした出張パックまで売っている。ファミレスで外食した後、口直しに辛いのが食べたくて、家に戻ってインスタントラーメンを食べてしまったという話もよく聞く。

 韓国でラーメンと言えば、激辛で真っ赤なスープのインスタントラーメンである。食堂で売っているラーメンもすべてインスタントラーメンだ。なので、日本を訪れていろんなラーメン店があるのを見て、「ラーメンをこんな立派な食事にできるなんてすごい」と驚く韓国人はとても多い。

 日本式ラーメンは2002年開催のワールドカップの前後から流行るようになった。しかし、韓国では、じっくり煮込んだスープにはご飯――チゲやサムゲタン、カムジャタンのように――という組み合わせが一般的なので、ラーメンといえばまだまだ激辛な真っ赤なスープのインスタントラーメンが主流である。

Well-being時代を迎え、プレミアムラーメンが登場

 健康第一のWell-being時代を迎え、韓国でも、インスタントラーメンは健康とダイエットの大敵として敬遠されるようになった。高カロリーで辛い。ナトリウムが1日推薦摂取量の97%(約1930ミリグラム)も入っているほどしょっぱい。これを受けて、Well-beingラーメンとして油を使っていないノンフライ麺、こんにゃく麺を使ったラーメンやナトリウムの量を減らしたラーメンも登場した。

 それでもやはり、最も売れているのは日本でもおなじみ、ノンシム社の「辛ラーメン」である。1986年の発売以来、不動の1位だ。辛ラーメンが登場してから韓国では、ラーメンといえば「赤くて辛い牛肉スープに太麺」が定番となった。ACニールセン調査結果によると、「辛ラーメン」は2010年韓国のインスタントラーメン市場の71%を占める絶対王者だ。カップ麺を含めて韓国内だけで年間5億7000万個を出荷しているという。

 「辛ラーメン」はWell-beingブームを受けて、2011年4月に「辛ラーメンブラック」という高級インスタントラーメンを発売した。インスタントラーメンではあるけれど、牛肉を煮込んで作るスープ「ソルロンタン」1杯と同じ栄養が1袋に入っていると宣伝した。価格も、「辛ラーメン」が1袋約50円なのに対して一袋約110円と2倍以上する。

 「辛ラーメンブラック」の人気は5カ月ほどしか続かなかった。公正取引委員会がノンシム社にたいして「辛ラーメンブラック」のパッケージに書かれてある「ソルロンタン1杯と同じ栄養が摂れる」「理想的な栄養が摂れる保養食品」という文句は誇大広告であるとして1億5500万ウォン(約1000万円)課徴金を課した。これに機に「辛ラーメンブラック」に期待した消費者も背を向けるようになり、ノンシム社は9月から「辛ラーメンブラック」の生産を中止してしまった。

「ココミョン」が大旋風を巻き起こしている

 「辛ラーメンブラック」が創造したプレミアムインスタントラーメン市場に、大型新人が登場した。韓国ヤクルト社が2011年8月に発売した「ココミョン」が大旋風を巻き起こしている。

 「ココミョン」はテレビ番組をきっかけに登場した。あるバラエティー番組が、インスタントラーメンを利用したアレンジ料理のレシピを競う「ラーメンの達人選抜大会」を開催。ここで韓国の人気お笑い芸人が紹介したレシピを商品化したのである。審査員だった食品メーカーの担当者たちが「マイルドに見える白いスープなのに、ピリ辛でサムゲタンのような味がする」と絶賛し、大会で2位を獲得した。

 韓国ヤクルト社は9月末までの2カ月の間に「ココミョン」を2250万個、出荷したという。韓国ヤクルト社は「1日10万個も売れれば成功だ」と思っていたそうなので、この売れ行きは予想をはるかに超えるものである。値段は、辛ラーメンブラックより安い一袋約70円。既存のラーメンよりプレミアムだけどそれほど高くはないという路線を選んだのも効果があったようだ。

 辛ラーメンに比べれば、ココミョンの売り上げはまだまだ少ない。だが、ココミョンが辛ラーメンのシェアに食い込んでいるのは確かである。韓国経済新聞が実施したアンケート調査では、回答者4000人のうちに62.8%が「最近もっとも頻繁に食べるインスタントラーメン」の項目に「ココミョン」と答えている。

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「白いスープのラーメンが王者「辛ラーメン」のシェアに食い込む」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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