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2030~40年に都市人口が10億人を超える

住宅、水、ゴミ、屎尿、教育、交通、環境…都市問題山積

2011年10月21日(金)

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 2011年10月9日、中国政府の「国家人口・計画出産委員会」<以下「人口計画委」>は、「中国流動人口発展報告2011年」(以下「2011年報告」)を発表した。これは2010年6月に中国で初めて発表された「中国流動人口発展報告2010年」<以下「2010年報告」>に次ぐ第2回目の報告で、2010年に人口計画委が全国106の都市で“流動人口”の動向を調査した結果に基づいて作成されたものである。

“農業戸籍”と“非農業戸籍”

 中国の法律では、戸籍は“農業戸籍”と“非農業戸籍”に分けられている。“農業戸籍”は、農村に住んで農業に従事する人の戸籍を意味するので、便宜的に“農村戸籍”と呼ぶ。これに対して、“非農業戸籍”は都市に住んで農業以外の仕事に従事する人の戸籍を意味するので、こちらも便宜的に“都市戸籍”と呼ぶ。“流動人口”という言葉は、この戸籍を都市戸籍と農村戸籍に分ける中国特有の戸籍制度を前提とした概念で、戸籍の所在地を離れてほかの土地に居住する人口を指すが、その主体は“農民工”と呼ばれる、農村から都市へ、経済が未発達な地域から発展している地域へ、中部・西部の内陸地区から東部の沿海地区へ出稼ぎのために移動する人々である。

 農村戸籍の“農民工”が流動人口となって都市へ流入しても、各都市が設定した高いハードルを越えない限りは都市戸籍に編入できるわけではなく、都市に居住する農民工と都市戸籍の都市住民との間には、賃金、教育、医療、社会保障などの面で大きな格差が存在している。農村戸籍者の都市戸籍への編入を促進し、農村戸籍を撤廃して戸籍の一本化を図り、戸籍区分による格差の是正が急務であることは広く認識されている。しかし、戸籍区分の撤廃によって生じる各種の問題がその改革を先延ばししているのが実情である。

30年間に3億の流動人口が都市へ流入

 さて、2011年報告によれば、2010年末時点における流動人口の総数は2.21億人で、2010年報告による2009年末時点の2.11億人より1000万人増となっている。2011年4月28日に発表された“2010年第6次全国人口普査(2010年第6回国勢調査)”<以下「国勢調査」>によれば、2010年11月1日時点の総人口は13.4億人であるのに対して、流動人口は2.21億人となっており、これが2011年報告の数字の根拠となっていることが分かる。

 この2.21億人という流動人口が総人口の13.4億人に占める割合は約16.5%であり、この数字だけを見ると、それほど大したことではないように思うかもしれないが、日本の総人口が1.28億人であることを考えれば、この2.21億人という数字がどれほどすごいものか分かると思う。

 2011年報告は、流動人口は過去3年にわたって毎年1000万人程度の規模で推移しており、このペースが維持される形で、今後30年間に3億人もの流動人口が都市へ流入すると予測している。国勢調査によれば、2010年11月1日時点の都市居住者が6.66億人であるのに対して、農村居住者は6.74億人で、その比率は前者が49.68%であるのに対して後者は50.32%となっている。

 2010年5月に「中国人口・発展研究センター」主任の姜衛平がある研究会で述べた予測では、中国の人口は30年後の2040年に14.7億人でピークに達し、その後は減少に転じるとしている<注1>。今後30年間で人口が1.3億人増加する(13.4億人から14.7億人へ)ことを加味しても、2040年の人口構成は大雑把に言って、都市人口10億人に対し農村人口4.7億人となり、その比率はそれぞれ68%、32%となることが予想される。

<注1>この予測は現行の「一人っ子政策」が今後も継続されてゆくことを前提としているものと思われる。

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「2030~40年に都市人口が10億人を超える」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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