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韓米FTAとTPPが抱える共通の課題

何が起こるか分からない――が不安

2011年11月9日(水)

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 韓国の李明博大統領が10月11日に訪米して以降、韓米FTAの批准手続きが韓米両国において急ピッチで進んでいる。

 米上院は10月12日、賛成81票、反対で15票で韓米FTAを批准した。オバマ大統領が10月21日に韓米FTA履行法案に署名。これで米国における韓米FTAの手続きは完了した。

 韓国の国会が韓米FTAを批准すれば、FTA履行のための手続きが完了したという書簡を両国間で交換する。その後、両国が別途合意した日から韓米FTAが公式発効する。

韓米FTA批准反対デモが激化

 韓国では10月末から、国会議事堂のあるソウル市ヨイドで韓米FTA批准反対デモが激化している。デモの中心となっているのは韓米FTA阻止汎国民運動本部(http://www.nofta.or.kr/)。同本部は2006年3月に発足した団体。100あまりの市民団体を傘下に持つ。「対米経済従属進め社会の格差を広げる」韓米FTAに反対し、再交渉を求めている。韓米FTA批准反対集会を解散させるため、警察が10月28日と11月3日の両日、参加者に対して水鉄砲を撒水。国会に近づこうとするデモ参加者を連行することもあった。

 野党と韓米FTA阻止汎国民運動本部は「韓米FTAによって、韓国は得るものより失うものの方が多い。国民の1%が得するために99%が犠牲となってしまう」と主張している。6つの保健医療団体が集まって2001年6月結成した「健康権実現のための保健医療連合」も「1%のための韓米FTAに、99%の国民は反対する」として韓米FTA反対デモに参加している。宗教団体も連帯し「韓米FTA反対運動は経済主権を守るための戦いである。小商人の立地を狭くしたり、医療費や医薬品の価格を高くしたり、貧しい人を苦しめる制度になってはならない」と声明を発表して、韓米FTA批准に反対している。

 11月3日の夕方、筆者も国会を訪れた。ヨイド駅や国会周辺に集団で集まっている人を見ると、韓米FTA反対のプリントを手にした会社帰りに見えるOLや制服姿の高校生の姿がみられた。韓米FTAは農民や政治家、市民団体といった一部の人だけの心配事ではない。

 3日の夜は、ろうそく集会が行われた。これを見て筆者は、2008年の光景を思い出した。当時は、米国産牛肉の輸入に反対する主婦が子供をベビーカーに乗せてろうそく集会に参加した。中高校生も多かったことが話題になった。

ネット上でも、韓米FTA反対のコメントが絶えない

 驚くのは筆者がよく訪問するアイドルのファンクラブ掲示板、主婦向け料理掲示板、財テク掲示板、といった政治に関連のない掲示板にまで韓米FTA反対の書き込みが絶えないことである。「韓米FTA批准反対集会に参加した」「または参加する」という書き込みも続いている。集会に参加できなくても、Twitterで賛成または反対意見を表明したり、韓米FTAに関するつぶやきをRT(リツイート)する一般ユーザーやソーシャルテイナーをたくさんみかける。Twitterにはハッシュタグ#noFTA、#FTAをつけたつぶやきが増えている。本コラムで以前紹介した、Twitterを使ったソーシャルテイナーの影響もまだ続いている(関連記事「なぜ韓国に「ソーシャルテイナー」が生まれたのか?」。

 韓国は2011年10月31日時点でスマートフォン加入件数が2000万を突破した。人口の4割がスマートフォンを使っている計算になる。スマートフォンが普及すると、リアルタイムでいろんな人とつながることができるソーシャルネットワークサイト(SNS)を利用する人が自然と増える。

 Twitterを使って韓米FTAに反対する集会を呼びかけたり、韓米FTA反対の意見をつぶやいたりする人が増えるに従って、政府の韓米FTA締結担当者であるキム・ジョンフン外交通商部(韓国の外務省)通商交渉本部長も、韓米FTAのメリットを伝えるためTwitterを利用するようになった。

若者はソウル市長選で自らの力に目覚めた

 韓国は10月26日にソウル市長の補欠選挙を実施した。小学生の無料給食政策をめぐって前市長が辞任したのに伴うものだ。市民運動家出身の弁護士パク・ウォンスン氏が無所属で出馬し53.4%の支持を得て当選した。20~40代に人気の高いパク氏の勝利は、2012年に予定されている次期大統領選挙に向けて、政権交代を求める声が高まっていることを象徴する出来事としてとらえられている。

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「韓米FTAとTPPが抱える共通の課題」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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