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インド発!美しくなりたい気持ちは、男性も女性も同じ

沸騰する美・健康市場に、化粧品、医薬、食品業界が群がる

2011年11月8日(火)

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 インドの美容意識といえば、元々は男女問わず「色が白いこと」そして「体系はぽっちゃり」が好まれていた。色が白くぽっちゃりした体系の方が裕福に見えると言うのがその理由だ。

 特に「美白」に関してはまさにインド=美白大国と言ってもいいほど、その手の商品は巷にあふれている。色白といっても「ホワイトニング」ではなく「フェアネス」という言葉を使うのだが、フェアネスクリームは金持ちだけでなく、ミドルクラスも、ひいては都市部のスラムに住んでいるような家でも、そして農村でもほぼどこの家庭に行っても目にすることができるくらいに裾野は広い。徐々に色を白くするというより7日間使えばこれだけ白くなるという“眉唾モード”の広告もあちこちで目にする。

 しかしながらこういったインドの過去ある種「普遍」であった価値観に変化が明らかに出てきている。

 インドではここ数年生活習慣病が急増している。専門家は「既に社会的に問題になっているとともにこの傾向は今後『シャープに』増加することは目に見えている」と指摘する。実際に確固たる統計データではないが、「デリー住民の35%は肥満である」とか「糖尿病患者は既に4000万人を優に超え、2025年には7000万人近くになる」とか「世界の心臓疾患患者の60%がインド人だ」とか様々な生活習慣病の話が跋扈している。メタボリックシンドロームという言葉も都市部のミドルクラス以上の層では一般的とも言う。

 また、これらの肥満などは中年以上の問題だけではない。中国でも「小皇帝」という6ポケット世代の子供たちの肥満の問題が取りざたされていたことがあったが、インドも同様だ。彼等は伝統的な油と砂糖がたっぷり入ったスナックやお菓子だけでなく、ジャンクフードにも大いになじんでいる。

 こういった直接的に健康を脅かす生活習慣病の脅威に加えて、さらに世の中では見た目志向も進んでいる。その結果、太っているよりは痩せている方が見た目がよいと考える女性も増えている。痩せているとはいっても日本と比べれば太めではあるものの、昔の美的水準からすればかなり細身だ。これらの若い女性の間では「サイズゼロ」という言葉がキーワードになっている。モデルが着るような細身で小さいサイズを目指すというわけだ。

 元々インドには非常に太りやすい生活習慣を持つ人が多い。基本は油を多用したインド食に、1日に何杯も砂糖をたっぷり入れた甘い紅茶を飲む。さらに、朝食、午前のスナックタイム、ランチ、夕方のスナックタイム、夕食と食事が続き、夕食を21時頃に食べて午前0時前に就寝する。

 ダイエットのためには19時以降に物を食べない、という日本の指導とはかけ離れている。もう1つ指摘するならば、インドではサンドイッチですらスナックである。油で揚げたサモサ2つをスナックタイムに食べると言うのも当たり前だ。つまり、スナックだけでも日本人の1食分に値するボリューム感がある。そのうえで、タンドリーチキンをつまみながら酒を飲みつつ、21時過ぎからパンやご飯と一緒にカレーを食べる。スイーツは歯が痛くなるほど甘い。カロリーの高いナッツ類も一般的だ。

無糖商品ではあまり売れない

 もちろん、こういった食生活をしている限り、痩せることは難しいだろう。昔からインドではカロリーゼロの砂糖の代わりになる合成甘味料や最近では健康に配慮した食用油などの機能性食品が販売されている。また、無糖や無脂肪をうたうスナックや加工食品も出ている。しかし、メーカーに言わせると、無糖や無脂肪の商品の売れ行きはあまりかんばしくない。やはり今の段階では味が重要だ、という。

 一方で、ビタミンやカルシウムなどの栄養素を添加した健康イメージを持つ加工食品の市場への投入も進んでいる。例えば、クノールは野菜スープを夕方のオイリーなスナックからの代替品として提案する活動を始めている。

 1991年にインドに進出を果たした日清食品は、これまで「TOP RAMEN」という商品シリーズで展開してきた。ここにきて、GSK(グラクソ・スミスクライン)のHorliksブランド(麦芽飲料や健康志向なNutribarなどを展開)と組んで、Foodlesという新しいインスタントヌードルのラインを追加している。インスタントヌードルは子供のスナックとしてインドでも人気を集めており、そこにビタミンを添加した健康的なイメージを持つ新たなるカテゴリーを作り出そうとしているのだろう。

 さらに、運動して解決すると言う方法もあるが、既に肥満や糖尿病、高血圧に罹患している中高年は既に膝も悪く運動が難しい。元々インドでは運動は一般的ではない。朝住宅街を歩いていると散歩をしている人たちはいるが、リフレッシュのための散歩といった様相で、のんびりおしゃべりをしながら公園の中をゆっくり歩いている。

 一方で都市部の若い人たちの間ではジムの人気が広まりつつある。男性はもともとマッチョ志向もあり、ボリウッドの人気俳優らも必要以上ではないかと思うほど、筋肉質だったりする。こういったスポーツジムには女性も通う。そこには、運動をして痩せたいといった気持ちだけでなく、健康的に美しくなりたいと言う気持ちが垣間見られる。

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「インド発!美しくなりたい気持ちは、男性も女性も同じ」の著者

繁田 奈歩

繁田 奈歩(しげた・なほ)

インフォブリッジグループ代表

大学時代にインドを放浪し旅行会社を設立。調査会社インフォプラント設立に加わり、中国子会社を立ち上げる。その後、インフォブリッジを設立して独立。中国とインドで調査・コンサルティング事業を展開

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官