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抵抗はパフォーマンスだ、アートだ

「カネを貸し付けられる」反体制芸術家、艾未未氏

2011年11月9日(水)

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 特に知名度が高い中国人アーチストの1人、艾未未氏が、またもや強烈な参加型抵抗パフォーマンスアート(?)を展開している。

 「艾未未に無理やりカネを貸し付けて債権者になる運動」。あえて、言ってしまおう。アートであると。なぜなら、少なくとも私はそれを見て、面白がっているからだ。

 私と同じような人は多いように見受ける。自らに降りかかる災難、不幸をも、人を面白がらせ唸らせ感嘆させる“表現”というのは、やはりアートだろう。私小説家が自分の不幸をネタに、感動的な小説を書くのを文芸と呼ぶように、ネガティブな事象を大勢の期待や感動に変える力というのはアートの1つの効用である。

脱税容疑で逮捕

 経緯を簡単に説明しよう。北京市税務局は11月1日に艾未未氏に1522万元、日本円で1億8000万円以上に相当する巨額の追徴課税の支払いを命じた。

 艾氏は実のところ民主化活動とも「中国式ジャスミン革命」とも直接関係ないが、しばしばその体制に批判的な言動やパフォーマンスアートで国内外から注目と称賛を受け、反体制アーチストの代表格に見られている。そういう訳もあってだろう、今年4月3日、北京国際空港から出立するところを当局に拘束、「脱税容疑」などで逮捕された。

 中東でのジャスミン革命がひょっとしたら中国にも飛び火するのではないか、と当局がびくびくして国内外に影響力のある著名体制外人士を手当たり次第、拘束したり軟禁したりしていた時期だった。

 偉大なる国家的左派詩人・艾青を父親に持つ艾未未氏が拘束されたのは、「見せしめ効果」を狙ったものだろう。とはいえ、党中央内にも抵抗感はあったようで、拘留後81日間にわたって、艾氏が容疑を認め反省をした(?)などという表向きの理由で当局は彼を「保釈」した。

振り込み先の銀行口座を公開せよ

 今頃になって突如、当局が巨額の追徴課税が課したのは、彼が「容疑を認めて反省した」はずなのに、外国メディアの取材を受け依然、「我が道を行く」スタイルを発揮していることが頭にきたからだろうと想像する。15日以内、つまり11月15日までに1500万元という巨額の追徴課税を支払うことは、いかに国際的著名アーチストであれ無茶な話だ。支払えなければ収監、最高禁固7年もあり得る、という。

 ちなみに今回の追徴課税の対象となった艾未未氏の会社・北京発課文化発展公司の法定代表人は艾未未の妻君である路青さんなので、追徴税が支払えないとして収監されるのは路青の可能性もある。

 艾未未氏の母親らは艾青の故居である四合院の屋敷(845万4000元相当)を納税担保にして、行政復議(行政争議の再審査、再裁定)を申請すると表明、艾一族が団結して艾未未氏をサポートしていく姿勢を示した。北京市の決定に異議を唱える行政復議申請は先に全額分の納税担保を用意しないとできないのだという。

 このいきさつが、インターネット上のツイッターやグーグル+(プラス)、微博(これはすでに封鎖された)などで公開されたものだから、国内外で大勢のファン、支持者たちが「これは政治的迫害だ!」と騒ぎ出した。そして、艾氏に寄付したいから、振り込み先の銀行口座を公開せよ、という声が上がった。

コメント5件コメント/レビュー

日本の官吏は、露骨な暴力を使わないものの、問題の本質は日中の体制を越えたグローバルなもの。彼のパフォーマンスを他人事としか見れないような人間は、日本でも意味のある芸術行為は出来まい。(2011/11/10)

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「抵抗はパフォーマンスだ、アートだ」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本の官吏は、露骨な暴力を使わないものの、問題の本質は日中の体制を越えたグローバルなもの。彼のパフォーマンスを他人事としか見れないような人間は、日本でも意味のある芸術行為は出来まい。(2011/11/10)

艾未未がアメリカで逮捕されたという話は、ニューヨークに住んでいたころデモに参加し警察ともみ合いになったというだけの話です。婚外子がいるらしいというのが淫らかどうかはみなさんのご判断にまかせますが、それが淫らなら孫文も十分淫らです。中共も含めて世界の革命が証明してきたように反体制が必ずしも善だとは思いませんが、関係ない話を持ち出して貶めるというやり方は中共の典型的なやり方です。(2011/11/09)

独裁国家での反政府運動に無名人の犠牲は付きものですよね。革命が成就した後、新政府が顕彰して下さい。政府が手を出し辛い有名人を盾にして自分達の主張をするという手は有効に使いませんと。既に無くなった人なら更に便利です。毛さんとか?さんとか・・・(2011/11/09)

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