「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」

2011年11月11日に結婚届を出すカップルが殺到

離婚増を憂慮し、最高裁は婚姻法の新解釈を公布した

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2011年11月11日(金)

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 中国では2011年11月11日の午前11時11分に役所の“婚姻登記処(婚姻登記所)”に結婚届けを提出しようと計画しているカップルが多いという。早い人は10月初旬に婚姻登記所に11月11日の結婚届けの予約をしたし、11月11日が近づくにつれて当日の届け出に関する問い合わせの電話が急増し、婚姻登記所はその応対に忙しいとメディアは報じている。

 21世紀に数字の「11」が3個も並ぶのは2011年11月11日の1日だけであり、その3個の「11」は“一男一女(生涯1人の男と1人の女)”、“一生一世(一生離れない)”、“一心一意(一途に愛して心をほかに向けない)”を表すのだという。午前11時11分に提出すれば、さらに「11」が2個加わるから最高なのだそうで、この時刻の結婚届け提出を狙うカップルは多いらしい。

上海では1500組以上のカップルが

 各地の婚姻登記所によると、今までにも、北京オリンピックの開幕日であった2008年8月8日、2009年9月9日、2010年10月10日といった年月日の数字が重なる日に提出された結婚届の件数は普段の10倍以上であったが、2011年11月11日はそれ以上の件数になることが予想されるという。かつて北京の清華大学に語学留学をした筆者の娘によれば、北京の友人や知人にも11月11日に結婚を予定している人が多いというし、メディアの報道でも、上海では1500組以上のカップルが婚姻登記所に11月11日の結婚届けを予約したという。

 中国では毎年の11月11日を“光棍節(独身者祭り)”と呼び、恋人を持たない独身男女が集まって寂しい日常の憂さを晴らす習わしがある。これは1990年代に大学生が恋人のいない仲間をからかう目的で始めた祭りが各地に普及し、2005年頃から全国的に行われるようになったものという。“光棍”とは「樹皮を剥いて作られた棍棒」を意味し、棍棒になっては後世に樹木の子孫を残すことができないことから、結婚相手がいなくて子供を作ることができない独身者を“光棍”に擬したのである。そこで、数字の「1」を棍棒に見立て、「1」の数が4個で最も多い11月11日を“大光棍節”、「1」の数が3個の1月11日と11月1日を“中光棍節”、「1」の数が2個の1月1日を“小光棍節”と決めて、各“光棍節”が到来する度に独身の男女が集まって恋人がいない寂しい日々の憂さを晴らすのである。<注1>

<注1>光棍節の詳細については2009年11月20日付本リポート「独身者集まれ!大盛り上がりの“光棍節”参照。

高級ホテルは結婚披露宴の予約で満杯

 “光棍節”はその名の通り、従来は独身者のお祭りであったが、いつの頃からか、それは“脱光(男性が恋人を得て光棍状態から脱け出すこと)”および“失明(女性が恋人を得て光棍状態から脱け出すこと)”の究極にある結婚の最適日に変化したのである。その結果、11月11日の“大光棍節”に結婚するカップルが増大し、上述の通り2011年は「11」が3個も重なる「世紀の“大光棍節”」ということで、当日に結婚するカップルが例年以上となると予想されているのである。報道によれば、11月11日には各地の高級ホテルは結婚披露宴の予約で満杯の状態であり、11日が平日で披露宴が夜に集中することから、非番の職員も総動員して猫の手も借りたい状況にあるという。

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著者プロフィール

北村 豊(きたむら ゆたか)

北村 豊

住友商事総合研究所 中国専任シニアアナリスト
1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、2004年より現職。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員



このコラムについて

世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

日中両国が本当の意味で交流するには、両国民が相互理解を深めることが先決である。ところが、日本のメディアの中国に関する報道は、「陰陽」の「陽」ばかりが強調され、「陰」がほとんど報道されない。真の中国を理解するために、「褒めるべきは褒め、批判すべきは批判す」という視点に立って、中国国内の実態をリポートする。

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