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一人っ子世代「解放軍」はヤワなのか

ライフルと弾薬700発持って逃走した兵士の末路

2011年11月16日(水)

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 11月9日、中国吉林省吉林市に駐留する解放軍瀋陽軍区の65331部隊から4人の若い兵士(19歳~23歳)が95式アサルトライフル1丁と700発あまりの銃弾をもって逃走した。彼らは、公道で軍警と銃撃戦になった末、3人が射殺され、1人が拘束された。

 この事件は日本の大手メディアもすでに報道済みだが、脱走理由はいまだ公にされていない。一時は銀行強盗でも働くのではないか、と心配され、市内の銀行などに警戒が指示されていた。ネット掲示板などでは、兵士の実家が強制土地収用に遭い、その問題を解決するために脱走した、といった噂も流れている。

 これを受けて解放軍の軍規が乱れている、「90後(90年代生まれ)」の兵士はレベルが低い、訓練不足だといった批判も起きている。

 中国の軍事予算が2ケタペース(2010年度は9.8%)で拡大し続け、空母建設に代表される海洋覇権への意欲が隠しきれなくなってきてから、日本でも中国の軍事的脅威を感じる人が増えているようだが、果たして一人っ子政策世代(80年代生まれ以降)の解放軍220万兵力の実力はどれほどのものなのだろう。

ピアスの穴は1個までならいい

 脱走した兵士のうち3人は昨年12月に入隊。1人は2005年に入隊の班長で、彼の家が土地収用のトラブルに巻き込まれていたという噂もある。この事件発生後、中国のネット上では兵士のQQ(騰訊のインスタントメッセンジャー)アドレスなどが流れた。

 香港・明報が報じているところによると、入隊前にはかなりの恋愛経験もあったようで、彼女とのツーショット写真や、恋愛に関する雑談、ワイ談、星座の話などイマドキの若者らしい書き込みがあった。入隊後は「自由が欲しい」「しっかり仕事しよう」といった心情の吐露も。

 一般に解放軍は国防大学を頂点に各地の指揮学院など軍直属の教育機関で教育を受けたいわゆる軍人のほかに、地域ごとの新兵一般募集定員枠がある。北京などの都市部はさておき、農村の子弟にとっては安定した給料と、車の運転など技術習得の機会に恵まれるし、女性にもてるということもあって、この就職難の折、それなりの競争率だと聞いている。

 しかし、その一方で都市部の若者の軍隊離れも問題視されており、小太りが多い90後の若者が入隊しやすいように、今冬から、新兵募集の体重を標準(身長マイナス110センチ)のプラス20%、マイナス10%以内という合格基準の上限下限をそれぞれ5%ずつ拡大。「ピアスの穴は1個までならいい」「タトゥがあっても顔・首2センチ以内、腕足3センチ以内ならいい」といったイマドキの若者の入隊も許すようになった。

 こういう若者に解放軍としてのプライドや意識というのはやはり低いようだ。例えば、ブログや微博(中国国内で利用されているマイクロブログ)、QQなどで、軍の訓練内容や生活をつぶやく兵士が多く、軍内では問題視されている。

 私個人の経験では、四川大地震の救援現場で出会った若い兵士たちは、話しかけると作業をやめておしゃべりに興じる人もいて、従来のこわもての解放軍兵士のイメージと比較すると、確かに“ゆるい”と感じる部分もあった。

空軍パイロットから熱心に口説かれた

 兵士のレベル低下の問題は、こうした一般募集の新兵にだけ当てはまる問題ではない。軍人教育を受けたキャリア組にも問題は多いと聞く。当たり前のような収賄の習慣や、権力をかさにきた横暴もその1つだ。

 外国籍の友人が某婚活サイトで、北京の空軍パイロットから熱心に口説かれたことがあった。軍人は外国籍女性と結婚はできない。しかし、そのパイロット氏によれば、軍では金持ちの外国籍の事実婚妻を持つ軍人は多いという。権力があるので、ビザや定住資格に関する問題はいかようにでもなるとか。

コメント6件コメント/レビュー

空母の件は、将来正規空母を持つ為の準備の一つでしょう。燃料の問題は、中国なら正規空母は原子力にするでしょう。原潜は既に持っているし。軍隊の堕落について言えば、自衛隊も命をかけた戦闘行為や、戦闘能力では同様に怪しいかもしれません。中国軍が怖いとすれば現場で命をかける戦闘員よりも、戦略戦術を決める側と、安全な所にいてミサイルのボタンを押すような所の人間の判断力でしょうか。(2011/11/16)

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「一人っ子世代「解放軍」はヤワなのか」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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空母の件は、将来正規空母を持つ為の準備の一つでしょう。燃料の問題は、中国なら正規空母は原子力にするでしょう。原潜は既に持っているし。軍隊の堕落について言えば、自衛隊も命をかけた戦闘行為や、戦闘能力では同様に怪しいかもしれません。中国軍が怖いとすれば現場で命をかける戦闘員よりも、戦略戦術を決める側と、安全な所にいてミサイルのボタンを押すような所の人間の判断力でしょうか。(2011/11/16)

2020年、今から9年後に第二列島線が小笠原諸島というのは、父島島民として危機感を感じます。世界遺産の小笠原諸島の沖合いに中国海軍の軍艦がやってくるなど島民にとっては悪夢です。漁は勿論、ドルフィンスイミングも危なくて出来ませんし、南島が貴重な自然が破壊される恐れすらあります。幸い、父島には海上自衛隊基地がありますし、島民と海上自衛隊員とは仲良くやっています。もう一つの幸いは中国海軍です。東シナ海は中国本土から500キロですが第二列島線までは2000キロです。そこへ往復するための燃料(原油)を確保できなければそれこそ太平洋戦争時の日本海軍の愚を繰り返すことになります。たたでさえ、中国は南沙諸島で軍艦のための燃料を使っているのですから。(2011/11/16)

羅援少将のアドバイスに従う?決定的弱点を今の憲法にあるとし、の改憲?重要な問題なのに流さないで下さい。いつも感じることですが、詰めが甘い。で、説得力に欠けることに。惜しいと思います。(2011/11/16)

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