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「マネーボール」から医療まで、難問を解決するデータの力

知識で知識を生み出すビッグデータとは(後編)

2011年11月21日(月)

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 日本では11月11日に封切られたばかりの米映画「マネーボール」。松井秀喜選手が在籍するシリコンバレーの地元チーム、オークランド・アスレチックスを舞台にした、実話に基づく野球映画だ。昨年の米映画「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞を受賞した脚本家アーロン・ソーキンによるキレのいいセリフと俳優陣の好演で、米国でも人気を博している。

 この映画は、ブラッド・ピット演ずる負け犬ゼネラルマネジャー(GM)と癒し系ギークのアシスタントのコンビが、データ分析を武器に貧乏球団を立て直そうと奮闘するお話。つまり、第三の主役が「データ」なのだ。

Strata Summit 2011で「野球スカウトの神話と現実」について語るポール・デポデスタ氏。ノンフィクション作家のマイケル・ルイス氏によるマネーボールの原作には実名で登場している(写真:海部美知)

 というわけで、米国でこの映画が公開された直後の9月下旬、ニューヨークで開かれたビッグデータの会議「Strata Summit 2011」には、アシスタント君のモデルであるポール・デポデスタ氏がゲストスピーカーとして登壇。参加者から大喝采を浴びた。

 ちなみに同氏はロサンゼルス・ドジャースのGMなどを経て、現在はニューヨーク・メッツのGMの下で選手の獲得と育成に携わっている。ご本人は、映画のキャラクターとは似ても似つかぬ細身の紳士である。

クチコミモニターとツイッターがもたらす「商機」

 野球の世界だけではない。ビッグデータの手法がすでに広く浸透しているウェブ企業や金融業界以外でも、「データ」を武器にしようという動きが広がりつつある(前編:グーグルとフェイスブックが「別格」たるもう1つの理由を参照)。

 その背景には、大量のデータを保存したり動かしたりするためのコストが劇的に下がり、分析のためのツールも充実して、多くの企業にとって手が届くようになっていることがある。

 一般企業における最も分かりやすい利用方法は、ソーシャルデータを使った「クチコミモニター」だろう。

 ツイッターを中心に、フェイスブックやユーチューブなどの各種ソーシャルメディアで、自分の会社や製品がどのように話題になっているかをモニターする。そして、不満があればすぐに対応するほか、褒めてくれていたら御礼を直接返すといった「対話」をしたり、種々の分析をして販売活動や製品企画に結びつけたりする、という使い方だ。

 サービスや製品について何気なくつぶやいたら、その担当者から@返信で返事をもらった、という経験のある人は多いだろう。筆者も、民間企業ならまだ分かるが、「献血センター」から@返信が来て驚いた経験がある。

 日本でも、資源エネルギー庁がこの手法で「原発に関する風評」を監視していたことに対し、7月に日本弁護士連合会が「表現の自由侵害の恐れがある」として警告を発したという事件もあり、広く知られるようになっている。

 これは、献血センターや資源エネルギー庁の人がパソコンに貼りついて自前でツイートを常時監視しているのではなく、「クチコミモニター」解析ツールのベンダーが、キーワード、言語、ターゲット層などで絞って抽出し、さらにそれを解析したり対応したりするためのツールも提供しているのだ。

 その「卸元」である米Gnipは、ツイッターの公式リセラー2社のうちの1社であるだけでなく、100以上の各種ソーシャルメディアからユーザーが公開したクチコミ(フェイスブックならば、「友人限定」の書き込みは対象外で、公式ページの公開記事のみが対象)を集めて、企業ユーザーに販売している。

ツイッター公式リセラー::ツイッター上で流れるつぶやきをいったんすべて自社で受け、整形・抽出などの加工を施してユーザー企業に販売する事業。こうした他社へのリセールを許可する契約をツイッターと交わしているのは現在、世界で米GNIPと英DataSiftの2社のみ。最終ユーザー企業は、社内データとして利用することが目的で、受け取ったつぶやきを自社サイトなどで公開することはできない、という契約形態となっている。

 最近の発表では、1カ月当たり300億件のツイートを有料で卸したという。今年の年初は1カ月当たり3億件だったのが、1年足らずで扱い量が何と100倍に膨れ上がったことになる。この分野の「勢い」が見て取れる。

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「「マネーボール」から医療まで、難問を解決するデータの力」の著者

海部 美知

海部 美知(かいふ・みち)

エノテック・コンサルティングCEO

ホンダ、NTT、米ベンチャー企業を経て、1998年にエノテック・コンサルティングを設立。米国と日本の通信・IT(情報技術)・新技術に関する調査・戦略提案・提携斡旋などを手がける。シリコンバレー在住。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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