「坂田亮太郎のチャイナ★スナップ」

中国から9割引で日本に電話をかける方法!

中国出張・赴任のトラの巻「携帯電話で割安通話編」

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2011年11月30日(水)

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 日本と中国の経済的な結び付きが増すほど、中国へ出張もしくは中国で働く日本人の数は増えていく。そこで仕事や生活に欠かすことができない携帯電話について、中国でも日本語で操作できる端末を前回紹介した。そこで今回は、通話に不可欠なSIMカードの購入方法と日本人向けのお得な通話プラン、そして日本語でサービスが受けられるケータイ店の情報を提供したい。

 まずは、中国のケータイ事情について概況を説明しよう。

 13億の人口を抱える中国は世界最大のケータイ大国でもある。中国工業情報化省によると、2011年8月末時点で携帯電話の契約者数は9億4008万5000件となった。2010年末に8億5900万件だったので、1カ月に1000万件ずつ増えたことになる。このペースで行けば、10億の大台に到達するのも時間の問題だろう。契約件数が1億を超え、中国が米国を抜いて世界1位になったのが2001年。それから10年余りで契約件数は10倍に拡大することになる。

 この巨大な市場で3つの通信電話会社(通信キャリア)が凌ぎを削っている。最大手は中国移動通信集団(チャイナモバイル)だ。2010年末の契約件数は5億8401万件なので、単純に契約件数だけで比較すると市場シェアは約69%に達する。

■中国の3大携帯電話キャリア
会社名
(英語名称)
中国移動 中国聯通 中国電信
チャイナモバイル チャイナユニコム チャイナテレコム
契約件数(2010年末)
(シェア)
5億8401万
69%
1億6742万
20%
9052万
11%
営業所の数
(南部では多い)
第3世代の方式 TD-SCDMA W-CDMA CDMA2000
3Gの契約数 2009年末 非公表 274万 407万
2010年末 2070万 1406万 1229万
2011年9月末 4316万 3023万 2860万
3G端末の豊富さ
日本で例えると NTTドコモ ソフトバンク au

出所は中国工業情報化省、中国移動の3G契約数は端末保有者数

 チャイナモバイルは固定電話最大手である中国電信集団(チャイナテレコム)から携帯電話部門が独立して2000年に設立された。固定電話会社から独立した経緯や高いシェアを確保していることから、日本で例えるとNTTドコモのような存在と言っていいだろう。

 市場は順調に拡大しているが、最大手のチャイナモバイルは収益面で伸び悩んでいる。ライバルに比べて契約件数は圧倒的に多いものの、その多くは農村部や地方都市に住む低所得者層と見られている。1人当たりの月間収入(ARPU)は70元(約840円、1元=12円で計算)と低く、契約件数の割に利益は伸びていない。

iPhoneユーザーの拡大に中国最大手も無視できない

 もう1つの不振の原因は、第3世代(3G)サービスの出遅れだ。チャイナモバイルは3Gの通信方式を中国独自のTD-SCDMAにこだわった(最大手だから中国独自の方式を取らざるを得なかったとも言われている)。そのため2008年に3Gサービスを開始してからしばらく、通話品質が安定していなかった。また、TD-SCDMAに対応した端末を開発するのは当初中国ローカルメーカーばかりだったので、世界共通のW-CDMAと比べて魅力的な端末が少なかった。その結果、「チャイナモバイルの3Gは良くない」というイメージが固定してしまった。

 だからだろうか、チャイナモバイルは2010年途中から3Gの契約数を公表しなくなり、代わりに3G携帯電話の端末保有者数を発表するようになった。詳細は不明であるが、海外メーカーの3G端末を使ってはいるものの、端末がTD-SCDMAに対応していないため3Gではなく2G(GSM)を使っている利用者が少なからずいる。

中国移動のサイトでは堂々とiPhoneが使えることを宣伝

 実際、チャイナモバイルのユーザーでも米アップルの「iPhone」を使っている人が数百万人以上いるとも言われている。面白いのはチャイナモバイルの公式サイトで、堂々とiPhoneが使えることを宣伝しているのだ。iPhone4以降は通常のSIMカードより小さいマイクロSIMを挿さなければならないが、チャイナモバイルの店舗では通常SIMカードを小さく切ってマイクロSIMカードにする無料サービスまで提供している。

 日本でも海外から持ち込んだSIMフリーのiPhoneをドコモ回線で使っている人がいるが(この方法は次回詳しく紹介します)、NTTドコモが表立って「iPhoneが使える」と喧伝することはないだろう。チャイナモバイルのなりふり構わぬ姿勢は、裏を返せばiPhoneユーザーの拡大に最大手でさえも危機感を抱いている何よりの証拠である。

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著者プロフィール
坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経BP社北京支局長。入社してから6年間はバイオテクノロジーの専門誌「日経バイオテク」で記者として修行、2004年に「日経ビジネス」に異動、以来、主に製造業を中心に取材活動を続けた。2009年から北京支局に赴任し現在に至る。趣味は上手とは言い難いがバドミントン。あと酒税の安い中国はビール好きには天国です。


このコラムについて

坂田亮太郎のチャイナ★スナップ

2009年に北京に赴任したばかりの中国“新米”記者が中国を駆けずり回り、見て、聞いて、感じたことをスナップ写真と共にコラムとして掲載していきます。1本の記事は「点」に過ぎないかもしれませんが、回数を重ねていくことで中国の今の「実像」を日本の読者に伝えられたら幸いです。

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