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欧州危機に翻弄される韓国ウォンの脆さ

通貨危機再来の悪夢に怯えるウォン(後編)

2011年12月19日(月)

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 最近のウォン安について韓国政府による誘導説の誤りと、2008年の韓国経済にはウォンが急落した要因は見当たらないということを前編で指摘しました。それでは“真犯人”は誰なのでしょう。

 一国の通貨が急落する場合、その要因が国内にあることも少なくありませんが、外国から危機が伝播することで、国内に要因がなくても通貨が急落することもあります。外国から危機が伝播する経路の一つが金融チャンネルです。そしてこのチャンネルは欧米の危機が原因となります。まず欧米の金融機関がダメージを受けると、欧米の金融機関が資金を引き上げ、新興市場国の通貨安、資産価格下落をもたらします(※1)。リーマン・ショック後のウォン急落は、欧米における危機が金融チャンネルによって伝播した結果と言えます。

 韓国銀行の中堅幹部は、世界の金融市場で資金が潤沢な時には、韓国に資金が流れ込み、ウォン高を引き起こしますが、資金不足に陥ると資金が一気に逆流してウォンの急落を引き起こす傾向にあることを指摘しています(※2)。そして理由として、1997年の通貨危機以降、韓国が資金移動に関する規制を大幅に緩和した結果、韓国から資金を最も引き揚げやすかった点を挙げています。そして政府も、資本流出入の変動性が高まった理由として、通貨危機以降に資本市場が完全に開放され、海外借入れが自由化されたことから、資金流出入の制限が全く無くなった点を挙げています。

 また政府は、1998年4月から2008年9月までの10年5カ月に2219億ドルが純流入した後、2008年9月から2009年1月までの4カ月間には695億ドルが純流出したとの具体的な数値を示しています(※3)。つまり10年かけてゆっくりと流入した資金の3分の1が、4カ月との短期間で流出しており、資本流入は比較的緩やかな一方で、資金流出は一気に起こることが示唆されています。

 そしてこの時期の為替レート(※4)の動きを見ると、資本流入期には概ね緩やかにウォン高が進み、資本流出期には急激なウォン安が生じていることから、資本流出入が為替レートの動きに影響を与えていることが伺えます。

※1 伊藤隆敏(2010)226ページ。
※2 2011年8月29日に、韓国銀行中堅幹部に対しインタビューした結果。
※3 企画財政部(2010)1ページ及び3ページ。
※4 以下で為替レートとする場合は、特段の断りがない限りウォン・ドルレートを意味する。

コメント3

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「欧州危機に翻弄される韓国ウォンの脆さ」の著者

高安 雄一

高安 雄一(たかやす・ゆういち)

大東文化大学経済学部教授

1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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