• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

中国の中堅大学生が就職先に望む3つの最低条件

「駐在員」と「現地採用」の“差別”はすぐにも廃止を

2011年12月15日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 前回前々回コラムを通じて「中国ビジネスに挑む日本企業と中国中産階級の関係」を考えてきた。両者の関係は、将来に向かえば向かうほど、ベストマッチになっていくと論じさせていただいた。日本企業は中国市場を、モノを売る市場としてだけでなく、ヒトを獲る市場として認識し、日々成長、成熟する中産階級にターゲットを絞ってつき合っていけば、長期的にウィンウィンの関係を構築できると結論づけた。

 有力な人材獲得市場として紹介した中堅大学卒業生について。実は北京外国語大学や大連外国語大学などの学生の多くが筆者の『脱中国論』を読んでくれている。日本語を学習し始めて2~3年であるにもかかわらず、お世辞にも上手とは言えない筆者の日本語コラムを理解できるのだからたいしたものだ。敬意を表したい。

 ここ1~2週間、筆者は日本企業にとって貴重な人材となり得る彼ら・彼女らと交流を保っている。本コラムを読んで、みんな「日本語を一生懸命勉強し、卒業後は日本企業で働きたい。将来的には日本に行って仕事がしたい」という希望を新たにしてくれたようだ。筆者も勇気づけられている。

 交流の中で頻繁に話題となるのが給与体系である。学生たちはみんな日本企業を頼りにしている。日本企業で働いてみたいと願っている。日本企業のために献身したいと思っている。筆者がランダムに聞いた50人のうち、3分の1の学生が「生涯を1つの企業に捧げてもかまわない」とまで語っていた。「終身雇用」という文化が存在せず(政府機関や一部国営企業は別)、「転職こそキャリアアップ」だと信じて疑わない中国人の若者世代が、日本の企業文化に理解を示しつつある。これには筆者も驚いている。

 将来が、よほど不安なのだろう。

 特にリーマンショック後、中国国内における就職がいっそう困難になり、北京大学でも大学院進学希望者と公務員志望者が一気に増えたのを覚えている。国内外の景気がどう変化しようが、一部の超エリートの信念は揺るがない。年収が100万元以上に及ぶ欧米の投資銀行、コンサルティング会社に就職するという王道に向かって突き進むだけだ。ただ、この超エリート層を除けば、中国大学生の就職は徐々に、ただし確実に、堅実な方向に推移していると筆者は実感している。

入社1年目に求める待遇は何?

 「日本企業にどういう待遇・報酬を求める? 例えば入社1年目に、北京で働くとして」

 筆者は北京外大、対外経済貿易大、北京師範大の学生5人に同じ質問を問いかけた。5人ともとても優秀で、人格も良く、日本語も流暢に扱える。

 「各種保険を入れて最低給5000元は欲しい。あとは頑張り次第かな。リーズナブルな社員寮があれば最高。後は勝手に解雇されない契約をきちんと結ばないと不安だよ」(男子学生、21歳)

 「最低給3000元以下なら行かない。自分がしっかり仕事をこなせば、成果に応じて報酬が上乗せされると思うから、4000元は受け取ることができる。給料の多寡だけじゃなくて、どんな仕事ができるかこそ大事。仕事が生きがいになるといい。将来的に自分を伸ばすことができればいいと思っている」(男子学生、20歳)

コメント3件コメント/レビュー

相変わらず加藤さんの記事は参考になることが多い。一般的な日本の中小・中堅企業で3年で経営に携われたり、マネージャーになれる企業がどれだけあるか?30年くらいしないと、経営に関われないのが現状だ。給与体系の問題を中心に取り上げているが、私にとっては、こちらの権限の問題の方がハードルが高いように思う。「頑張れば報われる」ではなく「社会は理不尽なものだ」ということを受け入れることを前提として構築されている日本企業なだけに。(2011/12/15)

「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

一覧

「中国の中堅大学生が就職先に望む3つの最低条件」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

相変わらず加藤さんの記事は参考になることが多い。一般的な日本の中小・中堅企業で3年で経営に携われたり、マネージャーになれる企業がどれだけあるか?30年くらいしないと、経営に関われないのが現状だ。給与体系の問題を中心に取り上げているが、私にとっては、こちらの権限の問題の方がハードルが高いように思う。「頑張れば報われる」ではなく「社会は理不尽なものだ」ということを受け入れることを前提として構築されている日本企業なだけに。(2011/12/15)

数日前に中国人の同僚から聞いた話ですが、1) 一人っ子同士の夫婦は複数の子供を持てるようになった。しかし、中国では医療も教育も非常にお金がかかる上、自分たちの両親の介護まで考えると、そこまで経済的に余裕のある人は少ない。2) 以前は福利厚生は国営企業が面倒を見ていたが、改革開放で企業が私営化された結果、そのような気前の良い企業はつぶれるなどして数が減ってしまった。最近では、代わりに自治体が福利厚生に責任を持つようになったが、色々な問題があり十分に運営されているとは言い難い。この記事から想像するに、日本企業から終身雇用保障を求めている人は、日本企業を改革開放以前の中国の国営企業のように思ってはいないでしょうか。(2011/12/15)

大学の卒業生の就職率が7割程度と悪いのに、本当にこんな強気の条件を出しているのですか。とても信じられませんが。(2011/12/15)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

面白い取り組みをしている会社と評判になれば、入社希望者が増える。その結果、技能伝承もできるはずだ。

山崎 悦次 山崎金属工業社長