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中国大学事情~北京大学を蹴って香港の大学に向かう学生たち

北京大学も英語による授業の充実を進める

2012年1月5日(木)

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 前回までのコラムで、「市場と人材の観点から中国の中産階級予備軍」に焦点を当ててきた。読者の皆様から、「やっぱり人材の話は面白い」「中国でビジネスをしていて、いちばん分からないのはヒトの話。現場に足を運んでいる加藤さんが語るヒトの話はやっぱり面白い」「人材の話をもっと知りたい」など、激励のお言葉を数多く頂いた。この場をお借りして厚く御礼申し上げたい。皆様のご理解・ご支持がなければ、連載『脱中国論』は成り立たないと強く認識している。

 皆様からのご要望を受けて、これから2回、もう少しだけ人材の話をしようと思う。

 今回は中国人材育成の起点、そして根幹を成している“お受験事情”を、筆者が大学の学部で過ごしていた時代を振り返りながら考えてみたい。中国大陸、香港、欧米という3つの視座から捉えてみよう。

学歴の重要性は低下しつつある

 中国の大学受験は、文系・理系が分かれた上で「全国統一試験(通称:高考)」を行う。統一試験とは名ばかりで、実際は各直轄市・省・自治区という行政区分に従って、別々に実施している。「完全に統一された制度・価値観で中国を統治することなど不可能」というのは、教育、戸籍、医療、住宅など、どの分野でも同様。筆者が主張する「脱中国論」とはまさにこのことである。「高考」は選択問題と論述問題が混在していて、例えれば、日本の国立大学2次試験のようなイメージだ。

 大学進学率が年々高くなっている(現在35%前後)とはいえ、欧米や日本などと違い、中国の若者にとって大学進学は依然として狭き門である。ただし、大学に入り、卒業したとしても、自らが希望する職に就けるとは限らない。このため、学歴の重要性は日増しに相対的なものになりつつある。

 大学神話は過ぎ去った。
 昨今における中国世論の総意である。

 筆者は、数多くある中国の制度の中で、「高考」は比較的公平な制度だと認識している。幼稚園、小中学校の入試と比べて、賄賂などを使った裏口入学などの比率は圧倒的に低い。

地方、特に農村出身の学生が優秀

 とはいうものの、みんながみんな公平に大学受験に挑めるわけではない。

 筆者の北京大学国際関係学院時代のクラスメートで、親友でもあるMくんが1年生のときに筆者に語った言葉を思い出した。

 「実は僕、もともと北京大学哲学系に入学したかったんだ。成績は省でトップだったし、全国のどの大学のどの学部にも合格できるスコアだった。だけど、貴州省には当時、北京大学哲学系の募集枠がなかった。だから仕方なく国際関係学院を選択したんだ。北京の学生はいいよな。募集枠が大きい上に、競争率が低いから、ハイスコアを取らなくても良い大学に入れてしまう。中国の大学受験制度はもう少し公平で合理的にならないとな」

 2004年の時点で全国統一試験の受験者数は700万人を越えていた(現在は1000万人前後)。そのうち北京大学に入学できたのは3000人強だった。北京市に与えられた募集枠が300人を超えていたのに対して、貴州省には30人程度という具合であった。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国大学事情~北京大学を蹴って香港の大学に向かう学生たち」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト