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「笑い」が社会を変える

政治を風刺するお笑い番組やポッドキャストが大人気に

2012年1月4日(水)

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 環境財団(Korea Green Foundation)が2011年12月12日、「世の中を明るくした人たち」の7回目の表彰式をソウルで行った。環境財団は2002年11月に設立された環境団体で、環境と生命を守り、持続可能な社会をつくるための活動を行っている。「世の中を明るくした人たち」は、寄付、献身、挑戦、情熱、感動、笑いで韓国社会を明るくしてくれた個人や団体を表彰するもの。ウェブサイトで推薦を受けつけ、環境財団が選んだ審査委員による審議を経て33人の受賞者(団体)を選ぶ。歴代受賞者は主にスポーツ選手、市民運動家、芸能人、学者だった。

 2011年度の受賞者には、政治風刺で人気を集めているお笑い芸人たちと、同じく政治風刺のポッドキャスティングに出演しているチョン・ボンジュ前民主党議員が33人の中に含まれた。このことが話題になっている。

「骨のある笑い」が評価を受けるお笑い芸人

 受賞した1組は、韓国放送(KBS)が毎週日曜日に放送する人気お笑い番組「Gag Concert」の「カマキリ幼稚園」コーナーに出演している芸人たちである。審議委員は韓国社会の問題を面白おかしく批判し、視聴者を笑わせていることが高く評価した。「カマキリ幼稚園」では教育、政治、不動産バブル、青年失業、物価高騰など、韓国に住む人なら誰もが不満に思うことを風刺している。

 例えばカマキリ幼稚園は、塾に頼る教育の実態を風刺する。韓国では、子どもたちを小学生の頃から塾に行かせ、大学入試に備えさせる。塾に行かせるための教育費の負担は重い。

 園児が「私は大人になったら良いお母さんになって子供を賢く育てたい」と言うと、先生がこう反応する。

 「賢い子供を育てるためには早期教育が大事。なので塾に行かせないといけません。英語がいちばん大事だから英語塾に行かせる。その次に作文塾。感性を伸ばすためにピアノ塾。体力を補強するためテクォンド塾にも行かせます。うちの子は公園で遊ばせたいって? 公園に行っても誰もいません。子供はみんな塾にいます」

 「塾に行かせた子供が大きくなると何になるのか。大学生になります。大学を卒業すると英語のうまい会社員、ピアノのうまい会社員になります。塾に行かせても何も残らないって? 塾に行っていたという思い出は残ります」

 「カマキリ幼稚園」の出演者らは「骨のある笑い」を見せてくれるとして、大変人気がある。しかし、それゆえに告訴されたこともある。無所属国会議員のカン・ヨンソク議員が、カマキリ幼稚園に出演しているお笑い芸人のチェ・ヒョジョン氏を「国会議員を侮辱した」として11月17日に告訴したのだ。

 カン議員は、「カマキリ幼稚園」でチェ氏が口にしたセリフを問題にした。チェ・ヒョジョン氏は10月2日の放映で、国会議員になるのは容易であるとして「与党の首脳部と仲良くなって、与党の推薦を受けて、与党の畑(選挙区)で出馬すればいい」「選挙運動の際には普段は行かない市場に行って、おばあちゃんたちと握手すればいい。普段は食べないクッパを一度食べるだけでいい」「公約を話す時はその地域に橋を架けるとか、地下鉄を開通させるとか……あ、現実的に厳しいって? 大丈夫。口で言うだけだから」と話した。カン議員はこのセリフが刑法第311条の侮辱罪に当たると主張した。

 ソーシャルテイナーの1人である笑い芸人のパク・ミファ氏や評論家のチン・ジュングォン氏などはTwitter上で「お笑い番組の内容を侮辱として受け止めること自体、後ろめたいことがあるからではないか」とカン議員を非難した。野党の民主党は「カン議員は『国会議員を代表して告訴する』と言うが、彼に代表になる資格はない」との声明を発表した。カン議員は11月29日「チェさんには申し訳ないことをした」と自身のブログで謝り告訴を取り下げた。この事件をきっかけに、韓国ではお笑い風刺がもっと注目されるようになった。

「笑いながら戦う」ポッドキャストが大人気に

 「世の中を明るくした人たち」に選ばれたもう1人、チョン・ボンジュ前議員が出演しているのは「ナヌンコムスダ(私はコムスだ、コムスは裏手を使うという意味)」、略してナコムスという有名なポッドキャスティングである。出演者はタンジイルボ(インターネット新聞)のキム・オジュン代表、チョン・ボンジュ前議員、週刊誌「時事IN」のチュ・ジンウ記者、時事評論家のキム・ヨンミン氏の4人。

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「「笑い」が社会を変える」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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