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弔問をめぐり激論~南北関係改善のきっかけ? 蛮行に免罪符を与える?

弔問団をめぐり北朝鮮が韓国を猛烈非難

2011年12月28日(水)

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 北朝鮮が12月22日、弔問団に対する立場を変えた。北朝鮮の祖国平和統一委員会は、WEBサイト「ウリミンゾクキリ(我が民族同士)」を通じて、海外、韓国からの弔問団すべてを受け入れると発表した。当初は、海外からの弔問団を拒否するとしていた。それだけではない。祖国平和統一委員会は22日から25日にかけて、韓国政府が弔問団を派遣しないことを猛烈に非難する掲示を同サイトに4件も掲載したのだ。

 祖国平和統一委員会はWEBサイトに「(韓国政府の)半人倫的で、初歩的な礼儀と同胞愛までも完全に喪失した処置に怒りを隠せないでいる」「弔問団の訪朝を妨害することは、北南関係において想像できない破局的結果をもたらすことを肝に銘じなくてはならない」「これを機に北南関係改善に対する(韓国政府の)真正性を検討する」「(韓国政府が)どのような態度を見せるかによって、北南関係が改善する可能性もあり、完全に終わる可能性もある」と書いている。

 韓国政府は立場を変えていない。北朝鮮の住民に対して弔意を表明するが、政府公式の弔問団は派遣しないとしている。ただし、民間弔問団の北朝鮮訪問は限定的に許可することにした。

 世論調査専門機関「リアルメーター」が毎週実施している大統領支持率調査によると、2011年12月4週目の「李大統領の国政遂行支持率」は26.9%。前週より1.2ポイント上がった。金正日総書記が死亡したことを北側が発表するまで大統領が知らなかったことが問題となったが、それでも大統領としてやるべきことをした――北朝鮮へ公式弔問団を派遣しなかった、日韓首脳会談で日本軍慰安婦に対して日本政府が謝罪するよう求めた――として支持率が上向き始めた。

故金大中元大統領の夫人と、現代の会長が弔問のため訪朝

 金正日総書記死亡のニュースが流れてからすぐ、北朝鮮を訪問したいと願っていた故金大中元大統領のイ・ヒホ夫人と、金剛山観光を推進してきた現代グループのヒョン・ジョンウン会長の2人を中心とする民間弔問団が12月26日北朝鮮を訪問した。故金大中元大統領と現代グループの故チョン・チュヨン名誉会長の葬儀に、北朝鮮は公式弔問団を派遣している。そのため政府は、2人の弔問を特別に許可した。

 現代グループは、1998年に北朝鮮観光事業を開始した。翌99年に、対北事業を担当する現代峨山を設立。2003年2月には、陸路で金剛山に行く観光ツアーを始めた。

 しかし2008年7月、北朝鮮兵士が韓国人観光客を射殺したことによって、金剛山観光はもちろん、その他の北朝鮮観光事業もすべて中断することになった。現代グループは北朝鮮観光再開を巡り、この弔問が好転のきっかけになることを願っているのかもしれない。でも北朝鮮は殺害した韓国人観光客に対して何の謝罪もしていないし、再発防止も約束していない。

ハンナラ党の元代表であるパク・グンヘ議員が猛反対

 韓国の国会で、国会議員も民間弔問団に参加すべきではないか、という議論が起こった。これに対して与党ハンナラ党の元代表であるパク・グンヘ議員――故パク・ジョンヒ元大統領の娘――がこれに反対した。「ヨンピョンド砲撃事件と天安艦事件でまだ心を痛めている人が多いのに、弔意を論じる時ではない」「まずは北朝鮮が謝罪するべき」「弔問団については政府が決めた基本方針に従うべきである」。これを受けて、国会議員と政府関係者は弔問しないことが決まった。

 徴兵で軍に行きヨンピョンド砲撃によって亡くなった故ソ・ジョンウ下士の遺族らが、パク・グンヘ議員の個人ホームページに感謝の言葉を書き込んだことも話題になった。「国のために戦死した若き魂には、北朝鮮が言う『金正日に弔問団を送るのが道理』という話が理解できません。弔問どころか哀悼もしなかった人たちが、そして、ヨンピョンドに向けて無差別砲撃という蛮行をした人たちが言う道理とは何なのでしょうか」と書いてあるのが印象的だった。

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「弔問をめぐり激論~南北関係改善のきっかけ? 蛮行に免罪符を与える?」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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