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中国インターン事情~一人っ子はバイトできない

日本企業は人材獲得手段として生かせ

2012年1月12日(木)

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 前回は、中国における大学受験の現状を、近年見られる変化に焦点を当てて整理した。北京大学や清華大学などの最高学府が特別な権威を持っている状況は変わらない。だが、これらの大学を蹴って、高額な奨学金を提供する香港の大学へ「留学」する超エリートが増えている。新たな傾向として認識したい。

 今回は「人材の話」の第2弾として、中国の大学生が社会人になっていくプロセスに着目する。日本企業が避けては通れない、中国における人材獲得の手法を提言する。

卒業半年後の就職率89.6%

 中国社会科学院文献出版社が2011年6月に公布した『2011年中国大学生就業報告』によると、2010年に大学を卒業し、半年以内に職に就いた学生は卒業生全体の89.6%。2009年度に比べて3ポイント伸びたという。「中国の就業状況は年々改善している」と結論づけている。

 筆者の知る限り、中国国内では「大学卒業生の6人に1人が職に就けない」というコンセンサスがある。それが、半年たって、「10人に1人」に状況が改善したわけだ。中国政府が就職率を取り上げる際、「卒業後半年」を選ぶのはよくあるケースである。学生たちが卒業した直後は就業率が低く出る。社会不安を煽りかねないという懸念が背後にあるものと思われる。

 ただし、裏を返せば、新卒失業率が10%ということ。中国における大学の数、大学生の数が急激に増加するにつれて、就職競争が激化しているのは想像に難くない。ほとんどの大学卒業生が、急速な発展を遂げている沿岸部での就職を望んでいることも、大学生の就職を圧迫している。

 同報告書は、約3年間にわたるアンケート調査や学生への追跡調査をまとめたもの。大卒就職者の給料にも触れている。平均初任給は2479元で、2009年の2130元より349元増えた。就業半年後の月収が最も高かった学部は経済学部で3023元。次は工学部で2953元。最低だったのは教育学部で2491元である。法学部、コンピューター、芸術、英語、国際貿易などの学部を卒業した学生の就業率や初任給は相対的に低く「冷たい分野」と言われている。また、全卒業生の約6割が「卒業後の進路が自らの専門と合わず、期待外れだった」と答えている。

新卒よりも、即戦力となる中途を重用

 日本で圧倒的な価値を持つ「新卒」を、中国企業はさほど重視しない。高い能力や技能を要する職種であればあるほど、即戦力となる中途採用を重用する。中国の労働市場、特に若者世代にとって「転職こそ王道」だ。この点を忘れてはいけない。転職することなく、1社に留まり続ける労働者は「ああ、能力がなく、企業から見放されているのね」という烙印を押されてしまう。「新卒」が価値を持たないとはいえ、大学を卒業して半年たっても職に就けない人は、その後順風満帆な社会人生活を送れるとは限らない。

 大卒者でさえ、その失業率が10%に達するのだから、中卒や高卒の失業率はもっと高い可能性がある。ただし、具体的な統計がないので、そう言い切る決定的な根拠はない。大学を出ているがゆえにより良い職を求める人間に比べ、「働ければどこでもいい」と考える中高卒の就職率が高い可能性だってある。

 中国の失業率について、国内外で信用される、権威あるデータは存在しないようだ。中国共産党当局は5%前後と公表しているが、実際は、最低でもその2倍(10%前後)に達するというのが国内有識者のコンセンサスのようである。筆者が各方面で集めた情報を総括すると、だいたい10~15%くらいではないかと思う。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国インターン事情~一人っ子はバイトできない」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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