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一触即発、過去10年間で最も危険な「米国とイラン」

「ホルムズ海峡封鎖」で米国は攻撃か?

2012年1月20日(金)

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最初に、2012年の国際安全保障情報について

2012年国際安全保障情勢は「凶」

 2012年、国際安全保障情勢の運勢は「凶」。何といっても米国、中国、ロシア、フランス、韓国、台湾などで指導者が交代し、各国の国内政治が不安定化することが、外交・安全保障の世界にネガティブに反映される。国内で支持を得るために国外での危機を利用するという政治力学も生まれるため、国際関係は緊張しがちである。その筆頭は米国大統領選挙だろう。有力なユダヤ人票をめぐり、オバマ大統領はイランに対する弱腰姿勢は見せられない。米国によるイランへの経済的締め付けがさらに強まれば、イランの反発も高まり、米軍撤退で不安定化するイラクやアフガニスタンに対する介入も強まる。イラン核開発に拍車がかかれば、イスラエルによる軍事行動という悪夢も現実味を増す。中東の不安定化は必至だ。同様にアフガニスタンからの米軍の撤退が南アジアに力の空白をつくり、印パ対立や伝統的な中印対立にまで火をつける危険性がある。

 また米国が「アジア回帰」をはかり中国への牽制を強める中、南シナ海、東シナ海、そしてミャンマーで米中間の緊張が高まりそうだ。アジア各国の漁船や監視船同士の偶発的な事故が米中を巻き込んだ軍事衝突に発展してしまう可能性も排除できない。

 そして朝鮮半島では、金正恩後継体制が先軍政治を引き継ぎ、危機を煽って世界が騒いだところで譲歩したように見せかけて利益を得る「瀬戸際外交」を仕掛ける可能性が大である。「危機」を仕掛ける相手は日本になるかもしれない。

高まる米・イラン間の軍事的緊張

 イラン核問題をめぐりペルシャ湾岸地域の緊張が高まっている。

 1月5日までに欧州連合(EU)加盟27ヵ国が、イラン産原油の輸入を禁止することで原則合意したと発表した。昨年11月に国際原子力機関(IAEA)が、イランの核兵器開発疑惑を指摘する報告書を理事会に提出して以来、イランに対する経済制裁がさらに強化されている。12月末には、米国が原油代金の決済に使われるイラン中央銀行と取引する外国銀行に制裁を課す法律を成立させ、イランからの原油輸入を続けるEU、中国や日本にイランからの輸入量削減などを求めた。EUはイラン企業の資産凍結などの追加制裁を決定し、日本政府もイランに対する追加制裁を閣議決定していたが、さらなる米国からの圧力を受けて、EUが原油輸入の原則禁止に踏み切り、日本政府も1月になってイラン産原油の輸入を段階的に削減することで合意した。

 こうした経済制裁強化の動きを受けて、イランは12月末よりホルムズ海峡周辺で大規模な軍事演習を実施。1月2日には新型の地対艦巡航ミサイルの試射も実施した。また、イラン産原油の輸出に制裁が課された場合、「ホルムズ海峡の封鎖」を命じることを革命防衛隊幹部が示唆し、国際原油市場に衝撃が走った。さらにイラン軍のアタオラ・サレヒ将軍が、米空母に対して「ペルシャ湾の以前の場所には戻らないように助言及び警告をする」と述べて欧米諸国を威嚇した。

 これに対して英国のハモンド国防相は、「イランがホルムズ海峡を封鎖した場合、軍事的に封鎖を解除する方針を表明し、パネッタ米国防長官も1月8日に、「イランが核兵器を開発すること」と「ホルムズ海峡を封鎖すること」を「レッドライン」だと明言。

 続けて、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長も、イランがホルムズ海峡を封鎖する能力はあるとしながらも、「それは許容できない行為であり、それはわれわれにとってだけでなく世界中の国々にとって許容できない行為だ。(もしイランがそうした行為に踏み切った場合)我々は行動を起こし海峡をオープンにする」と述べ、米・イラン間の軍事的な緊張が高まっている。

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「一触即発、過去10年間で最も危険な「米国とイラン」」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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