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静かに「対イラン」軍事力増強をはかる米国

2012年1月27日(金)

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欧米諸国の「圧力と対話」戦略

 1月23日、欧州連合(EU)はブリュッセルで外相理事会を開催し、核開発を続けるイランに対する制裁措置として、イラン産原油の輸入禁止と同国中央銀行の資産凍結などを正式に決定した。この新たな制裁は、イランの原油、石油製品の輸入、購入と輸送に関する新規契約を禁じ、7月1日からは既存の契約分も含めて全面禁止としている。

 EUは中国に次ぐイラン原油の第二の輸出先で、イラン産原油輸出の実に18%を購入している。EUによる全面禁輸はイラン経済に大きな打撃を与えることになると見られており、イラン側の強い反発が予想されている。

 これに先立つ1月20日、EUの主要3ヶ国である英独仏と米中露の3ヶ国(通称EU3+3)は、「厳しい制裁を課すが、交渉のための窓は開かれている」とする声明も発表している。EUの外交・安全保障政策上級代表をつとめるキャサリン・アシュトン女史は、「EU3+3は常に(対話と圧力)を並行して行うことの有効性について明確にしてきた」と述べ、昨年10月21日にイラン政府に送った書簡を公開し、「我々は今もイランからの反応を待ち続けている」としてイラン政府に対話を呼びかけた。

 同じ日に、クリントン国務長官はドイツのウェスターウェレ外相との共同記者会見で、

 「我々は紛争を求めている訳ではないことを強調したい。イランの国民はよりよい未来を渇望していると我々は信じている。彼らはそのような未来を持つことができるはずだ。イラン国民は、彼らの政府が核兵器開発の道をきっぱりと断念しさえすれば、グローバル・コミュニティに再統合されることができるのだ。そしてそこで得られる利益を共有することができるのである。」

 クリントン国務長官は続けて昨年10月の書簡についても触れている。

 「昨年10月、E3+3メンバー国を代表してアシュトン上級代表がイラン政府に書簡を送り、もしイランが核計画について真剣に(我々の要求に)応じるのであれば、無条件に交渉する用意があることを伝えた。我々の立場は今も同じだ。EUは今日この書簡を公開し、イランからの回答を待っている。EUがこの(対話の)チャンネルを開き続けていることは重要だ、と私は考えている…。」

「落とし所」ない米・イラン関係

 オバマ政権とEUは、「圧力」のレベルを引き上げる一方で「対話」の窓口を開けて、イランを外交的な交渉へと向かわせようとしているようである。実際に水面下ではトルコなどの仲介によりEUとイラン間で接触がはかられたとも伝えられている。イラン側は「ホルムズ海峡封鎖」を示唆し、米空母に対して「この海域には戻ってこないように忠告する」と発表していたが、1月22日に米空母エイブラハム・リンカーンがホルムズ海峡を通過した際には何もせずに見過ごした。

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「静かに「対イラン」軍事力増強をはかる米国」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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