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日台関係に影響しかねない「Makiyo泥酔事件」

台湾で活躍する日台ハーフタレントに批判殺到

2012年2月8日(水)

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 普通ならあまり気にもとめない芸能ニュースなのだが、時期が時期なので紹介したいと思う。

 台湾で活躍する日台ハーフの女性タレントMakiyoこと川島茉樹代さんとその友人たちが2月3日の深夜、泥酔状態で台北市内でタクシーに乗ったところ、運転手から後部座席もシートベルトを締めるように注意された。だが、これを聞くどころか、逆に態度が悪いとして反発。運転手にシートベルトを締めないのなら降りてくれ、と言われて、腹を立てた友人男性は運転手に殴る蹴るの暴行を働いた。

 運転手はくも膜下出血、肋骨骨折などで意識不明の重体となった。川島さんたちは、倒れた運転手をそのまま放置し、別のタクシーを拾いホテルに帰った。この事件は通りがかりの別のタクシー運転手により警察に通報され、路上の監視カメラにも一部始終が映っている。警察に通報したタクシー運転手は川島さんたちの乗った別のタクシーを追跡し、彼らの泊まっているホテルを突き止めた。運転手は間もなく病院に搬送された。地元警察の調べによると、暴行を働いたのは東京・六本木などでクラブを経営する友寄隆輝・RUBY社長だ。

 地元報道によれば、事件はすでに書類送検され、友寄社長は警察の取り調べを受けた後、5万台湾ドルで保釈されているが、検察当局から出国制限を受けているそうだ。

謝罪会見の印象も最悪

 4日、川島さんと友寄社長、弁護士がそろって謝罪記者会見を開いた。しかしこの謝罪会見がよろしくない。川島さんは、片方の肩を大きく露出した、だらしない格好で「運転手の態度があまり友好的でなかった」「お金を払うとき胸を触られた」と言い訳ばっかりだった。友寄社長は「私は、言葉は分かりませんでしたが、運転手の方の態度が悪かったため口論になったと感じました」と日本語で通訳を交えて説明していた。友寄社長は運転手のお見舞いをしたいと話しているそうだが、こんな謝罪会見をやってしまうようならば、被害者は加害者の顔も見たくないだろう。

 胸を触られたのが事実かどうかはともかく、意識不明になるまでの暴行が許されるはずもなく、会見時の川島さんの服装や態度から受ける印象も最悪だった。可哀そうに、この人はこの歳になるまで謝罪の気持ちの表し方ひとつ教えてくれる人が周囲にいなかったのだ。

 案の定、フェイスブックでは、反Makiyoファン団というアカウントが作られ、批判が殺到。また川島さんのオフィシャルフェイスブックにも、「日本に帰れ」「恥を知れ」という批判コメントが多く寄せられた。

 さすがに4日の謝罪会見に問題があったと気付いたのか、5日には川島さんは台湾人の母親と一緒に病院に運転手を見舞い、4日の会見の声明の原稿は他人が作ったもので、本意ではないと、涙を流して謝罪したという。運転手の妻はその謝罪を「受け入れる」と発表した。

 どこの国でも酔っぱらって暴力を振るう人たちはいる。人気者の芸能人や大金持ちの若手実業家のように、周りからちやほやとゴマをすられるのが当たり前の環境に長くおれば、ちょっと注意を受けだけでも逆切れし、自分が悪いのに謝罪ひとつできず、お金で解決すればいいのだろうと開きなおるようになってしまうのかもしれない。

 もし、これが日本で起こった事件なら、ありがちな芸能人のゴシップニュースで、お茶の間からバッシングされて消えていくだけだろう。才能があれば、セカンドチャンスが与えられるかもしれない。しかし、台湾が舞台になると様相が変わってくる。早い話が日台関係にかかわってくる問題となってしまうのだ。

コメント10件コメント/レビュー

台湾在住の日本人です。この件は連日報道されていて、日本人のイメージ悪化に一役買っているのは事実です。とはいえ、台湾は、些細なことが原因で反日感情が爆発する韓国・中国とは違い、日本に対する好意的な感情は社会全体に広く浸透しています。加えて、馬英九政権になってから両岸の往来は飛躍的に伸びましたが、皮肉なことに中国との交流を経たのち「自分たちは中国人ではない」と考える台湾人が増えました。したがって、馬英九が中華民族の一体性を強調し、日本との関係を他の国のそれと同等のものに格下げしようとしても、それがうまくいくとは思えません。ですから、この件が、司法的に適切に処理されないといったことでも起きなければ、日本の血を引く一人の芸能人が台湾のテレビから消えるという以上のことは起きないでしょう。もっとも、だからといって、MAKIYOは台湾で台湾人の母親にずっと育てられた人間ですから、いまさら日本に帰る場所はありませんが。(2012/02/08)

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「日台関係に影響しかねない「Makiyo泥酔事件」」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

台湾在住の日本人です。この件は連日報道されていて、日本人のイメージ悪化に一役買っているのは事実です。とはいえ、台湾は、些細なことが原因で反日感情が爆発する韓国・中国とは違い、日本に対する好意的な感情は社会全体に広く浸透しています。加えて、馬英九政権になってから両岸の往来は飛躍的に伸びましたが、皮肉なことに中国との交流を経たのち「自分たちは中国人ではない」と考える台湾人が増えました。したがって、馬英九が中華民族の一体性を強調し、日本との関係を他の国のそれと同等のものに格下げしようとしても、それがうまくいくとは思えません。ですから、この件が、司法的に適切に処理されないといったことでも起きなければ、日本の血を引く一人の芸能人が台湾のテレビから消えるという以上のことは起きないでしょう。もっとも、だからといって、MAKIYOは台湾で台湾人の母親にずっと育てられた人間ですから、いまさら日本に帰る場所はありませんが。(2012/02/08)

台湾在住5年の日本人です。この事件を取り上げて下さってありがとうございます。補足があります。Makiyoさんはその後、最初の謝罪会見で嘘の釈明をしていたことが判明しました。乗客の4人のうち誰かまたは全員が、シートベルトの着用を拒否したため、タクシー運転手が下車するよう要求。Makiyoさんは降りて腹いせにタクシーのドアを足で蹴り、それを制止しようとした運転手に友寄さんが暴行したということです。Makiyoさんは事件の目撃者から加害者になりました。ちなみに、Makiyoさんは日本生まれですが、両親が離婚し10歳以降は台湾で育っているので、日本に拠点はないようです。事務所は芸能活動を無期限停止すると発表しましたが、日本に帰るというのは難しいのではないでしょうか。(2012/02/08)

記事を読んでいて、1960~197,80年代を思い出します。一歩羽田から、外国に向かうとき、当たり前のように、家族から、周囲から、あなたは、日の丸を背中につけていることを忘れては、いけませんよと、言われてタラップをすすんだものです。今の状態は、どうなんでしょうね。ほかのアジアの人より国際感覚が、また、自国に対する認識力が、劣っているのではないかと想像しています。国際政治、国内政治音痴の日本人では、残念ですね。(2012/02/08)

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三品 和広 神戸大学教授