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 日本国内でカジノ解禁に向けた動きが目立ってきている。カジノ誘致による雇用や税収面への波及効果に関心を示す地方自治体は多く、与野党で関連法案の準備が進んでいる。震災の復興財源としての期待も高い。

 アジアの状況を見れば、すがりたくなる心情は理解できる。米ラスベガスを抜き世界一の規模となったマカオでは2011年、カジノ収入が前年比42%増の約2兆6000億円に達した。2010年に解禁したシンガポールでは、カジノと周辺施設が起爆剤となり、2011年のチャンギ空港の旅客数が前年に比べ10.7%増えた。

アジアでは後発の日本

シンガポール、セントーサ島のカジノはユニバーサル・スタジオと隣接している

 ただ、カジノが「打ち出の小槌」となるのは、国際競争に勝った時のみである。

 解禁となったとしても、日本はアジアでは後発だ。マカオやシンガポール以外にも、ベトナムやフィリピンなど多くの国で、中国人富裕層などをターゲットにした大型施設の開発計画が進む。

 法を整備し、カジノを造れば終わりではない。利益を出すには、巨大な宿泊・商業施設、テーマパークなどの観光インフラなどとの相乗効果が必要となる。最近のカジノ施設では、投資規模は数千億円規模が当たり前だ。

 投資を回収するには安定した集客が前提となるが、重要なのは人数だけでない。利益の源泉はそれこそ大王製紙の井川意高・前会長のような「ハイローラー」と呼ばれる少数の大口顧客だ。カジノは「ジャンケット」と呼ばれる仲介業者に手数料を支払ってでもVIPに来てもらい、満足させることでリピーターとなってもらう必要がある。

 実は法人税などと同様、カジノも税率を競っている。カジノの収益に対する税率ではマカオが39%なのに対し、シンガポールは一般客15%、VIP客は5%。ラスベガスのある米ネバダ州は6.75%だ。海外の有力カジノ運営業者を誘致するには税率を下げた方が有利だが、その分期待できる直接の税収は下がる。逆に税率を高くすれば、カジノとしての競争力が落ちる。


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