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中国当局の報道統制の揺らぎは薄煕来失脚の余波か

YouTubeが一時解禁の一方、マイクロブログを閉鎖

2012年4月4日(水)

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 中国のインターネットの様子が変だ。国内で禁止されていたYouTubeが一時解禁になるなど統制が緩くなったかと思えば、猛烈な管理強化やネット言論の一斉取り締まりなども進んでいる。

 この報道統制の揺らぎは、重慶市公安局長だった王立軍氏の失脚とそれに続く重慶市共産党委員会書記だった薄煕来氏が失脚した余波からくる微妙な党内の権力暗闘が関係しているという人もいるのだが、その背景がよく分からない。分からないなりに、現象を整理し、中国ネットの未来を考えてみたい。

天安門事件で失脚した趙紫陽氏が「百度百科」に登場

 香港紙蘋果日報が3月29日に報じたところによると、中国でずっとアクセス禁止になっていたYouTubeが一時的だが解禁されたそうだ。

 実際、国内のネット上では、翻牆(VPNなどを使ってグレートファイヤーウォールをのりこえる方法)を使わずにYouTubeにつながったという喜びの声が散見され、どうやら敏感なワードでの検索や論評の書き込みは閲覧できないが、政治的でない、差しさわりのない内容は視聴できたようだ。

 広東、福建、上海、北京などでYouTubeの視聴ができたと聞く。だが一度、検閲ワードを入れて動画検索すると、それ以降は同じパソコンでは見られなくなってしまったらしい。YouTubeは2008年3月に発生したチベット地域での一連の民族蜂起事件がきっかけで、完全にアクセス禁止となっていた。それ以前はYouTubeにアクセスできるが、YouTube内で動画検索すると、アクセスが切断されるという状況だったから、2008年春以前のレベルに戻ったということか。

 2月ごろから、天安門事件で失脚した趙紫陽氏が、中国大手サーチエンジンがつくるネット百科事典「百度百科」に登場したと一時的に話題になり、ひょっとしてネット検閲が緩くなってきているのではないか、という噂が立っていた。これは中国新聞という中国の華僑向けネットニュースでも報じられ、趙紫陽の写真が入った「百度百科」の画像まで配信されたので、間違いない。しかし私がこの報道を見て、百度百科を検索したときはアクセス禁止になっていたから、一瞬の出来事だったのだろう。

 また3月24日、香港を拠点にする独立系メディアのボイスオブアメリカの記者が「百度」で「六四天安門事件」で検索すると、天安門事件の画像が検索できた、と驚いて報じていた。もっとも、私がこの報道を見て、日本から百度で検索したときには、すでに検閲が再び強化されていた。

 ボイスオブアメリカの記者が「百度」で天安門事件を検索したのは、3月20日に英フィナンシャルタイムズ(FT)紙が、事情通の情報として、温家宝首相が3度に渡って党中央のトップレベルの内部会議で天安門事件の再評価を提案したと報じたからだろう。それによると、温首相の天安門事件再評価提案に激しく抵抗した一人は薄煕来氏で、薄氏がパージされた今や、北京に再び春が来るやもしれない、という。まさか、と思う人が大半だったろうが、その直後、一瞬かもしれないが、天安門事件についての検閲は緩くなったわけだ。

 ほぼ同じころ、中国で邪教として弾圧をうけていた法輪功の関連キーワード検閲も一時緩くなり、法輪功が出資しているといわれている反中国共産党メディア大紀元への中国からのアクセスも一瞬だが可能になったと、大紀元自身が報じていた。

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「中国当局の報道統制の揺らぎは薄煕来失脚の余波か」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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