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中東はアジアの火薬庫

成長に水差す原油高

2012年4月9日(月)

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 イラン情勢の緊迫もあり原油価格は半年で50%近く上昇した。日本でもガソリン価格の高騰や東京電力の値上げ要請など、影響は広がりつつある。アジアではさらに深刻だ。

 最も大きな騒動に発展したのはインドネシアだ。3月中旬から、首都ジャカルタやその他の都市では、政府に対する抗議活動が続いてきた。燃料価格引き上げへの反発が、全国規模の反対運動となって国中を揺らし、一部が暴徒化して治安部隊との衝突にまで発展するに至った。

 もともとの政府案の値上げ幅は実に3割以上。4月1日から、ガソリンを従来の1リットル4500ルピア(約40円)から6000ルピア(約54円)へと引き上げるというものだった。

 インドネシアでは、政府の補助金でガソリンの販売価格が抑えられてきた。ただ、アジアでも屈指の成長率を誇るインドネシアでは自動車や2輪車が急速に普及、補助金の負担も急増していた。そこに原油価格の上昇が重なり、価格に転嫁せざるを得なくなった。

 結局、激しい抗議活動を受けて連立政権の足並みが乱れ、値上げ法案は不成立。少なくとも6カ月は値上げが棚上げされ、ようやく事態は沈静化した。

 インドネシアにはトラウマがある。1998年にもスハルト政権による燃料価格引き上げ政策が大きな反発を呼び、結果的に政権崩壊へとつながった。現ユドヨノ政権は着実な経済成長で評価を高めてきたが、最近は汚職問題も複数重なり、支持率が下がりつつある。ガソリン価格引き上げの必要性を強調し続けてはいるが、強行突破が難しい状況に置かれている。

 インドネシアだけでない。パキスタンでも4月1日にガソリン、ディーゼル燃料が一斉に8%引き上げられた。東部のラホールを中心に、学生などの抗議活動が発生。各地の関連団体が政府の値上げの撤回を求めている。

 本来なら2012年前半は、各国政府にとって燃料代の引き上げの絶好のタイミングだった。食品価格などが落ち着いてきたこともあり、2011年後半にかけてマクロ経済運営で最大の懸念だったインフレ圧力が収まってきたためだ。そこに、中東情勢の不安定化がもたらした原油高が水を差す形となっている。

 燃料代の高騰は物資やサービスへの価格転嫁につながり、家計を直撃する。新興国では1人当たり所得が低いため、家計に及ぼす影響は日本では計り知れないほど大きい。

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「中東はアジアの火薬庫」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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