• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「狼と豚の闘い」を制した梁振英氏

中国当局の激しい干渉で決着した香港行政長官選挙

2012年4月11日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 3月25日の第四期香港特別行政区行政長官選挙で梁振英氏が689票(得票率60.87%)で当選したことは、もう大メディアでも報道済みなのでご存じの方も多いだろう。7月1日の香港返還記念日に就任式が行われる。この選挙が、香港700万民意とはほとんど関わりのない、親中派のビジネス・産業界の名士を中心とした選挙委員会1200人(前回選挙までは800人)によって選ばれる間接選挙であり、政策やマニフェストで争われるのではなく、中国共産党中央の意思でほぼ決まることは、中国に関わる人ならば今さら説明の必要もないだろう。今回の選挙も、凄まじいまでの中国の干渉があったことは知る人ぞ知る。だから、日本人も関心が薄いのだろう。私のある友人は「香港の長官選挙などハワイ州知事選寄り興味ない」と一蹴していた。

きな臭い噂がつきまとう「狼」

 だが、新長官に選ばれた梁氏がどういった人物なのかぐらいは、やはり知っておいた方がよい。そして、なぜ今回の選挙が「狼(梁氏)と豚(ライバル候補の唐英年氏)の闘い」と呼ばれたか、中国が、同じ親中派でありながら唐英年氏ではなく、梁氏を当選させるように動いたのかも。それを知ると、梁氏の任期5年がアジア経済・金融の要の香港の命運を分け、しいては中国の未来を占う5年となるかもしれないと思うかもしれないから。

 梁振英(CY・リョン)は1954年、香港生まれだが、原籍は山東省。父親は香港の警官で総督府やビクトリアピークの警護にも携わったことがあるそうだ。香港理工学院建築測量学部を卒業後、英・ブリストル理工学院(現西イングランド大学)で修士課程を修了、建築測量士の資格を得た。深圳、広州、北京で、ボランティアで教鞭をとったこともある。

 彼が中国に深く関わりはじめたのは、1984年に英国が香港の中国返還に同意した翌1985年、香港のミニ憲法といわれる基本法の起草諮問委員会メンバー入りしたことがきっかけのようだ。このとき、中国政府に香港の不動産契約の実情などについて意見したのが梁氏だったと、これは本人が公表している。1988年から中国では土地使用権の一部の有償譲渡、転売が容認されるようになったが、このときも公開入札や土地(使用権)売買について、上海市政府や深圳市政府にコンサルティングするなど、中国の不動産業界と政界に深く関わってきた。

 香港が中国に返還された後、不動産コンサル業の傍ら、江沢民氏の庇護を受けて初代行政長官となった董建華氏のもとで、行政会議という諮問機関のメンバーとしてブレーンの役割を果たした。2003年からは中国の全人代(全国人民代表大会)の諮問機関、全国政治協商委員会(参院議員みたいな名誉職)に就いている。どこから見ても、中国と利権を含めた深いおつきあいのある親中派である。

コメント1

「中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス」のバックナンバー

一覧

「「狼と豚の闘い」を制した梁振英氏」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長